Gallery 展示2 高校入試の作文 (作文の原点) |
○「手紙」 ○「忍耐」 |
「高校入試の作文・小論文」(書き方講座) 「中学生の作文と国語」
「答案百花」−「高校入試の小論文」私立編 同公立編
「英国だより・洋平君の作文奮闘記」
「勇樹くんの作文みるみる上達記」
「東日本大震災」の作文・第1部 第2部・第3部
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中3 佐川 純
(時間15分、字数300字内、東京都他)
小学校六年生のときから二年間、毎月私の手元に父からの手紙が届いていた。父は仕事でイランへ行っていたのだ。東京へ越してきてまだ二年足らずのうちに父が抜けてしまった家は、何とも寂しいものだった。そんなことを書きつづって出した私の手紙に対して、父はイランでの仕事のきびしさや、自分だけが辛いのではないということを何度となく書いて送ってくれた。そのたびに、私は自分の心に弱さや甘えを見つけ、反省してはまた手紙を書くのだった。 こうして今の私の性格の一部が形成されていったといっても過言ではない。毎月心まちにしていた父の手紙は、私にとってなにより大切なものだった。 |
制限時間が15分であることに注目してください。
推薦入試の場合は50〜60分ありますが、
一般入試ではたいてい国語の試験に含まれているために
10〜15分しか時間が取れません。
これだけのものがよく書けた、という評価はさておき、
短い時間であるがゆえに集中できる、というところに、
課題作文を書くコツが見出せるかもしれません。
「手紙といってもいろいろあるが、……」
などとやっていてはいけません。
時間切れになるばかりでなく、
まとまったものが書けなくなります。
なお、純さんは国分寺2中から都立・国立(くにたち)高校
(いずれも東京)に進んでいます。
中3 吉倉 粒太
(時間15分、字数200字内、練習課題)
小学校五年生の頃、僕はバイオリンを習っていた。僕にとって、音楽など習っていることは最大の恥であり、大きなケースを下げて街を歩くことは苦痛であった。しかし、僕はこれを忍耐・修行と自分に言い聞かせ、親との約束の三年間習い続けた。 ところが、今になってみると、あの時の恥ずかしい気持ちが自分でも理解できない。まわりを気にした自分のほうが恥ずかしい。自分で思いこんでいた見当違いの忍耐もあるということだ。 |
課題を見て思い浮かんだものを、「えい、やっ!」と書く、
これが課題作文を書くコツ、
かもしれません。
作文では「事実と意見」を書き分ける必要があります。
そこで、
事実を「えい」、意見を「やっ!」と決めるのです。
年齢が進むほど考え込んでしまうようですが、
試験では、迷っていてはいけません。
なお、粒太くんは小平1中から私立・海城高校
(いずれも東京)に進んでいます。