作文 打出の小づち ここは「道場日記抄」からの抜粋のページです。 一振りたたくと、何かいいものが出てきます。 |
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№ | 項 目 | 掲載年月日 | № | 項 目 | 掲載年月日 | |
1 | 国語の超勉強法 | Apr.18 '00 | 2 | 超勉強法の成果 | Jun.5 '00 | |
3 | 文章の要約の効用 | Jun.7 '12 | 4 | 入試と記述問題 | Nov.18 '04 | |
5 | 古典と作文 | Feb.8 '01 | 6 | 物語を絵にする | Mar.27 '01 | |
7 | 珠玉の一編 | Dec.25 '00 | 8 | ある入試選考 | Apr.28 '05 | |
9 | 山村留学と日記 | Apr.14 '01 | 10 | 要約の作業 | Jul.16 '15 | |
11 | 国語だより | Jun.24 '01 | 12 | 定期試験対策 | Oct.14 '00 |
※ '12、'13年についてはこちらへ。
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打ち出の小づち−総もくじ; 作文編; 小論文編; 閑 話
この作業が具体的にはどんな成果となっているか、
二つの例によって見てみよう。
「超勉強法」は、すなわち「文章の要約」ということなので、
その成果について、2つの実例を紹介しよう。
補遺・補足 | |
Jun. 5 '00 |
←※ 上記の「1、国語の超勉強法」を指す。 |
もう1例は次へ。
補遺・補足 | |
Jun.7 '12 |
← 他の科目に比べて語学関係が…… ◎ 要約の作業には、高得点に結びつくという効用のほかに、もう一つ、ぴたりとまとめきったときには快感が得られるという効用がある。 それは、例えば俳句や短歌で会心の作ができたときの快感にも似ている。ある詩人はそれを「脳髄の快感」と呼んでいる。 ひとたびこの快感を味わえば、文章を読むことが楽しみともなる。 |
これは9年前の日記であるが、
受験生には依然同じことを繰り返さなければならない。
記述の大事さが分かっていないのだ。
直前では手遅れだと考えなければならない。
補遺・補足 | |
Nov.18・21・25・30 / '04 中3生は期末試験を終えると、すぐ「冬期講習・80日間トライアル」に入る。都立入試の直前までの、およそ80日を視野に入れ、特訓が続く。 国分寺高校を目指すSくんの中心課題は「記述問題」である。国分寺高校は都立であるが、入試では独自問題を課している。 都立高校は、都知事が代わって様変わりした。学区にかかわりなく希望校を選べる他、かつての名門校で独自問題の出題が行われるようになった。4年前の日比谷に始まり、翌年の西、続いて新宿、戸山、国分寺、八王子東、そして、今春は立川、国立、青山、隅田川と、計10校で行われている。 その特徴は問題量が多いことと、記述問題の占める割合が高いことである。 国語では記述問題への配点が約50%となっている。選択肢問題が30%、漢字の読み書きが20%の割合である。数学でさえ、証明問題のほかに、問題を解くプロセスや途中の計算を書かせる問題が2〜3題ある。英語では英作文の比重が高い。 Sくんは内申対策の合間に独自問題に取り組んできた。初めは時間がかかっていたが、次第に時間が短くなり、文章も整ってきた。期末テストが終われば勉強は入試一本に絞れるので、エネルギーを独自問題に注入できる。過去問を練習台に、量をこなしながらすっきりした文章が書けるよう、ともども努めるとしよう。 −つづく− 記述問題といえば、私立の雄・開成高校ではここ2〜3年、選択肢問題が消えてきている。今春は漢字の読み書きを含め、100%記述問題になった。 このような傾向を踏まえた「開成Jr模試」というのがある。セタガヤくんがこれに挑戦した。中2であるから、英語は散々であったが、数学はまずまず、国語はこれまでになく高得点をマークした。 とはいえ、答案には丸はあまりなく、三角が多い。これは、おそらく読み飛ばしながら書いているためであろう。 セタガヤくんには「きちんと頭を働かせよう」とアドバイスしている。そうすると精読ということになるのだろうが、入試には時間制限があるから、速読も要する。このあたりの兼ね合いをどうするか。王道は、着実に読み取りながらスピードを上げる練習をするほかにはなかろう。 これは、Sくんについても同じことが言える。読解に取り組むとき、各人は別室で一人になって集中する。 −つづく− 記述問題への流れの背景には何があるのだろうか。 それは、第一に表現力や思考過程を見るためであるが、選択肢問題には「まぐれ」ということがあるためでもある。 この傾向は中学入試においても見られる。 東京都でも来春より中高一貫教育を始める。 既に、先陣の白鴎高校付属中学校と、それに続く3校では「適性検査」という名の入試問題の課題例を発表している。それらは全て記述方式である。 現在、スミダくんがこれらの課題例に取り組んでいる。入試は来年2月3日である。 (11/30) |
○ なお、大学の推薦入試では、8割が「長文読解と論述」であること、しかも、超長文が多いことにも留意しておく必要がある。 |
その対策は、どうすればよいか。
1、文章に読み慣れること、
2.要点を正確につかむこと、
簡単なようであるが、言うは易く行うは難し。
ふだんからの練習が必要なのである。
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はるかちゃんは、このあと「10.山村留学と日記」に登場する。
補遺・補足 | ||
Mar.29 '01
この話の「昆虫採集の箱」の中の様子を描いてもらうことにした。最低限描いてほしいのは、「…洋服箱の右上に……つめて並べて」あるところ、「二匹とも胴から下がないオハグロトンボ」、それに、「キイロスズメバチ」である。 |
◎ ショウくんには引き続き、ことあるごとに場面を絵にしてもらっている。 当然のことながら、読みがていねいになってきている。 |
近ごろの入試では、このように物語の場面を絵に描かせる問題が出されている。
例えば、滋賀県の県立中高一貫校では、
『ファーブル昆虫記』のフンコロガシがフンを転がす様子を絵に描かせている。
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補遺・補足 | |
Dec.25.'00 教材を読んでいると時々いい作品に出会う。 仕事柄、学年の初めや学期の変わり目には教科書に、また、春・夏・冬休みの直前には入試問題やテキストに目を通さなければならない。国語関係では、教科書を除いては、引用される文章はほとんどが断片であるため、なかなか内容を楽しむところまではいかないが、それでも、思わず引き込まれることがある。 井上靖の『帽子』や吉村昭の『虹の翼』に出会ったのも、この種の教材からだった。これらの作品は、音楽でいえば、『エリーゼのために』や『赤とんぼ』のようなものであろうか。大作ではないが、名品である。珠玉の、と付けてもよい。 今冬は、林英哲さんの『あしたの太鼓打ちへ』に出会った。彼は、言うまでもなく、太鼓の演奏家である。作品はエセーの類いで、話に奥行きがある。生命に触れたくだりでは、その昔に考えた我が音楽論に呼応する部分もあった。 作品の一節を、いささかの感懐を交えて、「交歓会場」に収載しておくことにしよう。こちら から『生命とリズム』へ。 |
ごゆっくり、お楽しみを。
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補遺・補足 | |
Apr.28 '05 |
Tくんは3年後、大阪大学の外国語学部に進んだ。
補遺・補足 | |
Apr.14 '01 < 山村留学 > 新学期が始まって1週間が過ぎた。「はるちゃんは日記帳をもっていっただろうか」と聞くと、「うん。荷物の中に入れてたみたい」と妹のあやちゃんと弟の壮くんがそろって答えた。はるちゃんというのは、この日記抄の2月8日の項に登場した「はるかちゃん」である。春休みの4月の初め、はるちゃんは山村留学で信州・長野へ旅立った。 話は春休みの前になって急に決まった。中3という受験期を迎えて、なぜまた、と思ったものだが、一つは学校で学級崩壊が起きているためのようだ。日記抄の作文の中に書かれている「プロレスごっこ」は授業中のことでもあるらしい。山村留学のことは、それとは別に、前々から家族の話題になっていたという。学級崩壊が引き金になったというのが真相のようだ。天竜川沿いの、南アルプスの麓の村が気に入った様子でもある。 はるちゃんが道場にやってきたのは去年の9月である。作文教育で知られる学園の高校部を受験したいとのことだった。それを思うと、山村留学はよい体験になり、作文の材料も増えるだろう。受験を前提に功利的に考えれば、留学自体がプラスに作用する面もあると思われる。だが、この事態を情緒面でのみとらえていてはならない。勉強はしっかりやらなければならない。元来「中の上」程度はあるはずの力が落ちていたことでもある。意欲が戻れば学力は回復するだろう。はなむけに英語の対訳ノートを贈る。 勉強については、だが、それ以上にやってほしいことがある。国語の力をつけてほしいことである。そのための方策はとなると、別に難しいことではない。日記をつけることだ。書く材料には事欠かないだろう。記録が将来の糧ともなる。念のため、書くことが特別にはないときは、天気のことや起床と就寝時間、三食のおかずのことだけでもよいと言っておいた。これはお母さんが同席したときに話したことだが、道場を去る日にはお父さんに、なるべく大きな日記帳を買ってあげてほしいと頼んでおいた。 はるちゃんには、いい話が書けたら送ってくれるよう頼んである。 「山村留学記」といえば、勇樹くんの作文が中断したままになっている。勇樹君も来年が高校受験になる。去年の秋頃には引越しをするという話でもあった。今はもう回顧録どころではないのかもしれないが、ユニークな体験はまとめておいたほうがよい。その旨を年賀状でも伝えておいた。気長に待つとしよう。 はるちゃんには、春の息吹のような新鮮なたよりを期待している。 |
はるちゃんは夏休みに帰省して、道場では「夏期講習」を受けた。
日記は付けてある。
「マムシが出るので、風呂の薪を取りに行く時は長靴をはいていく」
など、いかにも山村らしいことが書かれている。
それやこれやを作文にしてもらおうと思ったが、短期滞在だったため、
英語に時間を取られてしまった。
下旬には2学期が始まると言って、あわただしく
信州へ戻って行った。
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補遺・補足 | |
Jul.16 < 要約の作業 > ハッちゃんは目を宙に漂わせ、何やらつぶやいている。彼は5年生。説明文の第3段落を読んで、要点のまとめにかかっている。 「え〜っと、何だっけなあ」と言って、教科書を開いた。ああ、『1300年前』だ」と言って、本を閉じ、再び目を宙に漂わせた。そして、「よし」と言って、原稿用紙に向かった書き始めた。 要約の原則は、「本文を見ながらまとめようとしてはならない」ことである。それでは丸写しになりかねず、要約にはならない。何より頭が働いていない。要約の作業はあたまの体操でもある。 読んだことが頭に入っていなければ、もう一度本文を確かめてもよい。しかし、開きっぱなしではいけない。 小説・物語では、段落は場面ごととなる。1段落・1場面についての字数は100字程度がよい。一読して要点が分かる長さと考えられる。あまり細かな字数制限は設けない。要するに、要点をつかんでいさえればよいのである。 説明文・論説文の場合、段落の要点を抜き出した後は、それらを通読して、大段落の大意のまとめとなる(教科書では、たいてい4〜5段ごとに切れ目がある)。要点をつかんだ後は要旨の把握となるが、大意をつかみさえすれば、その文章を理解したことになる。 この作業は、「作文と国語」、または「国語」を履修する生徒は、学年を問わず、高校生まで全員が行う。 そのわけは、日本語で書かれているものは、だれでも「何となく分かる」。しかし、実際には「分かっていない」。その証拠に、「何と書いてあった ?」と聞かれても、たいていの人は「……」で答えられない。それが入試問題で、「筆者の考えを書きなさい」というふうな設問があると、とたんに四苦八苦となる。 入試のついでに、先までの展望を開いておくと、例えば一橋大学の国語の問題では、大きな問題3題のうち、1題は約2500字の長文を200字に要約せよという問題になっている。また、例えば慶応大学法学部では、社会、英語のほかに「論述力」という課題があり、約2000字の文章を300字に要約したうえで、それについて考えを700字で論述するという問題もある。 これらの入試問題については優れた問題、「良問」であると、識者の一致するところであるが、小学生の要約の作業も、これらの展望のもとにあると考えてよい。 功利的に考えなくとも、これによるメリットは、頭の体操であるほか、漢字を覚えられる、言語に習熟する、文章の理解が速くなるなど、枚挙に暇がないのである。 |
これだけの修練を積めば、「行間を読む」力もつくであろう。
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11.『国語だより』
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