作文 打出の小づち ここは「道場日記抄」からの抜粋のページです。 一振りたたくと、何かいいものが出てきます。 |
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№ | 項 目 | 掲載年月日 | № | 項 目 | 掲載年月日 | |
1 | 日本語のリズム | Oct.12 '99 | 2 | 「なぜなら」という曲者 | Sep.20 '12 | |
3 | 首尾 | Feb.2 '12 | 4 | 必勝のパターン | Nov.8 '03 | |
5 | 段落の機能 | Mar.3 '02 | 6 | 難題のとらえ方 | Dec.29 '11 | |
7 | 面接の極意 | Jan.27 '11 | 8 | 出張講座 | Mar.1 '01 | |
9 | フレッシュマンセミナー | May 18 '03 | 10 | 時事問題 | Nov.3 '03 | |
11 | 適正進路 | Nov.26 '06 | 12 | 自己推薦入試 | Dec.10 '09 | |
13 | 面接カード | Jul.17 '01 | 14 | オンライン講座 | Nov.4 '01 | |
15 | リアルタイム添削 | May 27 '09 | 16 |
※ '12、'13年についてはこちらへ。
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打ち出の小づち−総もくじ; 作文編; 国語編; 閑 話
補遺・補足 | |
歯医者の待合室で、手にした『週刊新潮』をパラパラめくっていると、山本夏彦氏のコラムが目に留まった。氏は出版社主であると聞く。歯に衣着せぬ物言いで人気があるようだ。コラムの題は『社会主義早わかり』とあり、その中に次の一節があった。 「(新聞や雑誌の)文脈に混乱が生じたのは全国に旧制高等学校ができてからである。(中略) お雇い外人は高給だから追々日本人教師に代えたが、優等生で全国の高等学校は賄いきれない。そこへ岩波用語である。訳者は誤訳の指摘を恐れて逐字訳した。日本語はリズムを失った。(後略)」(’99年10月7日号) 氏の話は社会主義がいかに的外れであったかの論難になるのだが、目に留まったのは「日本語はリズムを失った」というくだりである。それが翻訳のせいであり、岩波書店がからんでいるとなると、思い当たることが多い。 岩波の本については、学生時分に十数巻の『講座』の購入予約をして後悔したことがある。新書でも時々というところだが、それはともかく、今は、大学生の文章はどうしてこうもギクシャクして分かりにくいのだろうと思う。これは特に国家Ⅱ種レベルの全国模試の答案を添削・採点しているときに思うことである。何とか読めるものが数パーセント、まともに筋の通っているのは1パーセントあるかないかである。 分かりにくいのは翻訳調の漢語が次々と出てくるため、また、ギクシャクしているのはその漢語の意味が未消化のまま使われているためといってよい。これは他ならぬ、大学の授業が翻訳語で行われているためであり、学生は「論述」というのはそんな言葉を使うものだと思いこんでいるためであろう。大学生になって文章が書けなくなっている。そんな感じさえある。 模試の採点・添削のたび、同じ注意をしなければならないことに辟易し、いっそハンコでも作ってぺたぺた押していこうかと思ったのがきっかけで本を書く気になり、その中で若干の注意もしておいたのだが、待合室では大いなる味方を得た思いであった。翻訳調を脱しようよ、という思いには切なるものがある。 |
← ……代えたが、優等生ばかりを高級で雇っていては、全国の高等学校の財政はもたない。そこで、並の教師も雇うのだが、ここに問題が起きた。岩波用語である。 ※ 本というのは『論作文の奥義』を指す。概要はこちらへ。 |
大学生になって却って文章が書けなくなっていると言ってよいが
怪しげな文章は大学入試や高校入試の「小論文」にも見られる。
これは、
輸入されたマニュアルが吟味されないまま使われているためとも考えられる。
「『なぜなら』という曲者(くせもの)」(次項)参照。
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まだ日記に書いたばかりだが、話のつなぎとして、ここにも載せておこう。
補遺・補足 | |
Sept.20 '12 近頃は、理屈をこねまわす答案がまた増え始めた。 理屈をこねまわすというのは、例えば「○○について、あなたの考えを述べなさい」とある場合、考えばかりを書いている類いである。これは考えに裏付けがないため、結局理屈倒れとなる。 かつて、この種の答案は大学生に多く見られたのだが、近頃は高校生や中学生の答案にもこの傾向が見られる。特に、入試の「小論文」にその傾向が強い。 それは一つに、論文と聞くと、何かりっぱなことを言わなければならないと考えるせいかもしれない。肩肘張って難しい言葉を使っているうちに、自分でも収拾がつかなくなって支離滅裂なものとなる。 もう一つは、近ごろの傾向として、「○○について、私は〜〜と考える。なぜなら、それは△△だからである」というパターンのものが多いことである。その場合、じゅうぶんな証明がされていればよいのだが、多くはその後が続かないか、続いても、たいていは「なぜなら」と書いた理由についてそれを正当化する理由をつけているようなもので、これも理屈倒れとなっているのである。 このパターンについては、それを教えるマニュアルがあって、欧米諸国で使われ(帰国子女の答案によく見られる)、それが日本に輸入されたと考えられるが、多くの答案がこの有様であるのは、マニュアルの中身が検討されないまま使われているからなのだろう。 もともとは、自由に書かせると何を言いたいのか分からない答案が多いために、始めに考えを書かせ、それに理由を付けさせたと考えられる。 ところが、この方法では、上に見たとおり、話が停滞するか、理屈倒れになるかで、要するに、「論」にならないのである。 仮にそのパターンでよいとしても、理由はきちんと証明されなければならない。実例で見てみよう。 こちら、「高校入試の小論文」公立変の、⑤「文章読解型2」(都立新宿)の答案へ。 「はじめの答案」では、第1段落に「なぜなら」が見られる。ところが、理由は次の第2段落以下で、実例を挙げて照明されているから、「なぜなら」の文はなくてもよい。ついでながら、結論部に考えが述べられているから、設問に指示がなければ、始めの一文もなくてもよいのである。 以上、論文には「なぜなら」は不要であること、むしろ、障害になること、曲者であることがお分かりであろう。 論文は三段論法で書くに限る。 序論 − 事例(自分の体験・見聞:事実) 本論 − 事例の検討・考察 結論 − そこから導かれる考え、判断 これなら理屈をこねまわさなくても済むし、「あなたの体験」から出発すれば、出てくるのは「あなたの考え」なのである。 |
※ 科学論文なら、 序論 ー 実験・観察のデータ 本論 − データの検討・考察 結論 − 法則など となる。 |
生徒諸君はたいてい書き切ってくる。「首尾は上々」といってよい。
成果についてはこちらへ。
補遺・補足 | |
Nov.8 '03 |
○ タマさんはカナダに留学していて、「カナダだより」を書いてくれている。こちらへ。 この時は日本の大学に編入学をするための準備をしていた。 ○ 「必勝のパターン」については、「大学入試の小論文」へ。 |
実際の書き方(実践例)については、
「大学入試の小論文」(文系)、同(理系)、同(芸術系)のほか、
「早稲田の杜へ」を参照。
学生諸君、生徒諸君の答案を見ていると、
改行のし過ぎも目につく。
「意味のまとまりによって段落を設ける」ようにしたい。
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この方法によって書かれた答案は、こちらの
「高校推薦入試の小論文」(私立編)⑪へ。
私立高校推薦入試の翌日か合格の報が入る。
みんな作文も面接もうまくいったようだ。
なお、面接という名の「プレゼンテーション」や、「集団討論」については、
別途、練習を要する。
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その1 | 補遺・補足 |
Feb.22 '01 昨日は気持ちよく明星大学の丘を下りた。 『就職試験の論作文・エントリーシートの書き方講座』と、講座名が長くなったが、メインの論作文のほかに、エントリーシートについての話と練習を入れたのがよかったようだ。今やエントリーシートは就職試験の第一関門であり、大学生には必須条件になっている。 先週の授業では、エントリーシートの必修三要素として「実績・長所・抱負」を挙げ、このうちの「長所」について具体的に、200字程度で書く練習を行った。「具体」ということがピンとこない諸君もいたようだが、過半はイメージの浮かびやすい事例を裏付けとしていた。これで、自己の長所を三つほども挙げ、かつ、実績・抱負とともに整理しておけば、自分自身に自信がつくのみならず、ミスマッチをしないで済むことにもなろう。 帰りがけに、「『具体的に』という意味がよく分かりました」と声をかけてくる学生がいた。大学生の書くものは、とかく理屈に流れて読みにくいものだが、「具体」が一番の「説得の論理」であることに感付いてくれたようだ。 長い坂道を下りながら、ホームページで『出張講座』の紹介をしようと思った。今回は、講座のメインの小論文・作文に優れた答案が多かったことでもある。こちらの「答案例」へ。 明日は、嘉悦大だ。ここでの講座が終わったら、そのホームページづくりに取りかかるとしよう。あと一週間、もう一度200枚余りの答案と格闘しなければならないが、授業中の学生諸君とのコミュニケーションを思えば、これは楽しい格闘となる。 |
その2 | 補遺・補足 |
Mar.1 '01 嘉悦大の答案150枚の評価・採点を終えた。 「○○○○と私」という題で、丸の中に、受けたい会社、就きたい業種、気に入った商品・製品の名を任意に入れてよいことにしてあるから、答案はバラエティーに富んでいる。これをもとに、授業の脚本もできた。5日の授業での学生諸君の反応が楽しみである。 エントリーシート用の練習答案も100枚ほど提出されている。あと3日のうちに、これも見ておかなければならない。明星大でも話したことだが、今やエントリーシートは、就職の扉を開くカギとなっている。練習答案の提出は任意としたのだが、枚数の多さは関心の高さをうかがわせる。見終わったら、これについても脚本を作るとしよう。 答案例については、同じくこちらへ。 |
講座(授業)には、学校関係者が見学に訪れる。
その方々からは一様に
「こんなに私語のない、静粛な授業は見たことがない」
という感想が聞かれる。
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9.フレッシュマン・セミナー
補遺・補足 | |
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