作文ワールド

2.詩乃ちゃん


はじめに

① 「小川の和紙」
② 「着衣水泳」
③ 「おたのしみ給食」
④ 「ラフティング」
⑤ 「ツリートレッキング」
⑥ 「おひがん」
  −−−−−−−−−−
⑦ 「フィリピン旅行」
⑧ 「新体操の参観」

 作文ワールド(原点) Ⅱの表紙へ 作文ワールドⅢ(社会科作文) 
Ⅳ(理科作文) Ⅴ(スポーツ作文) Ⅵ(七五の四行詩) Ⅶ(図工作文)
Ⅸ(家庭科作文) Ⅷ(エトセトラ)  Ⅹ(作文のこころ)

「東日本大震災」の作文・第1部  第2部・第3部

作文打出の小づち
総もくじ
作文編  国語編  小論文編  閑 話

トップページ 小学生の国語と作文



はじめに

詩乃ちゃんは小学3年生、しのちゃんと読む。
4月に始めた頃はあどけなさもあったが、
6月に「着衣水泳」を書いたころから、描写が具体的になり、
字数も延びてきた。力の現れと見える。

⑥までは3年生の時のもの、⑦からは4年生になってからのものである。

なお、初めの頃の作文は、「作文のこころ」(その3)で紹介している。



 「小川の和紙

「和紙」は「和食」と並んで、世界文化遺産に登録された。
そんな和紙作りの話から紹介しよう。

添削例・諸注意
 夏休みの8月7日に、私はさい玉のおばあちゃんの家へ一人で行って、紙すきをしました。場所は小川町の伝統工芸館です。
 さい初に、はがき8まいセットをえらんで、ならんでいると、すぐに私の番がきました。はがき8まいセットにしたのは、おばあちゃんにおくるためです。係りのおじさんが「和紙のざいりょうは木の皮だよ」と教えてくれて、真っ白いトロトロしたものが入っているおけの中を長いぼうでグルグル回して、もっとどろどろにしました。私にわくを持って運ぶように言いました。私は言われたとおりにわくを持ち上げて運びました。とても重かったです。
 わくを水そうにうかべて、真っ白いどろどろをひしゃくでくんで入れました。そうして、わくを横とたてにゆすりました。何回かゆすると、8まいが同じあつさになるということでした。細かく、平らでないといけなかったので、むずかしかったです。となりの人もくせんしていました。
 すいた紙を台におきました。まだぬれている紙の上に花やおり紙などでかざりつけをつけました。はがきはまだかわかないので、後でおばあちゃんが取りに行ってくれるそうです。出来上がって来るのが楽しみです。待ちどおしいです。はがき作りは、むずかしいと楽しいが半分半分でした。

◯ 詩乃ちゃんの家の国分寺から埼玉県の小川町までは、電車の乗り換えもあって、1時間半はかかる。勇気があるなあ。








←※ すいた1まい紙から8まいのはがきが取れるんだね。


おばあちゃんは、わくわくしながら受け取りに行ったことだろうね。

もどる



 「着衣水泳」

6月になると、学校でもプール開きをするようになるだろう。

添削例・諸注意
 7月11日、わたしたちは学校で着衣水泳をしました。これは、服を着たままプールに入って水泳をすることです。
 その日の朝、起きてすぐに体温計で体温を計りました。37度あると、プールに入れません。わたしは36.4度だったので、心がときめきました。
 1時間目に水着になって、プールに行って、じゅんび体そうをしてからプールに入りました。プールはとてもひんやりしていました。クロールをしたり、けのびをしたりしました。20分くらいたってから、水着の上に長そで、長ズボンの服を着ました。服を着たままプールの中を歩いてみました。体が重い感じで、うまく歩けませんでした。わたしは「服を着てプールに入ったら、とても重いんだな」と思いました。
 そのあと、海や川で乗っていた船がちんぼつした時に助けをもとめられるように、ビニールに空気を入れて、それをぎゅっとにぎってうかぶ練習をしました。ペットボトルにつかまってうかぶ練習もしました。ふたがある時は、ペットボトルを横にして、体を上向きにしてうくようにしました。ふたがない時は、口を下にしてかかえました。わたしは、「これだったら、海や川で助けをもとめることができるな。ペットボトルのふたがないバージョンは、スポイトと同じ仕組みなのかな」と思いました。
 さい後に、「ネコとネズミ」をしました。男女に分かれて、どちらかがネコ、どちらかがネズミになって、先生が「ネズミ」と言ったら、ネコがネズミを追いかけます。わたしたち女子はネズミで、追いかけたり追いかけられたりしました。服を着ていたので、泳ぐのが大変でした。へとへとになったけど、「海や川で助けをもとめる勉強になったな」と思いました。










← ……長そでの服を着て長ズボンをはきました。











◎ いいところに気がついたね。

いい授業をしているのだねえ。

もどる



 「おたのしみ給食」

ユニークな学校行事を紹介しよう。

添削例・諸注意
 10月6日、おたのしみ給食がありました。これは1年に3回くらい、他のクラスとちがう料理を食べることです。
 その前の日に、調理員さんからおたのしみ給食のせつめいがありました。ギリシア料理についてでした。ギリシア料理は、2010年にイタリア料理、スペイン料理、モロッコ料理とともに地中海料理として、ユネスコの世界無形文化遺産として登ろくされたそうです。それを聞いて、「そんなすごい料理を食べられるの?」と思いました。
 当日、4時間目のじゅぎょうが終わって、やっと給食の時間になりました。ランチョンマットの入ったふくろを持って、ランチルームに行きました。いつもは教室で食べるけれど、この日は特別の部屋で食べます。ランチルームに入って、いつもとちがうはんの人たちと席にすわりました。料理が1人分ずつテーブルにならべられていました。
 「いただきます」をして、いろいろな料理を1口ずつ食べてみました。一番おいしかったのは、ムサカです。グラタンににていて、ミートソースの上にホワイトソースがかかっていて、さらにその上にチーズがのっていました。きらいなナスが入っていたので、先に食べてみました。生ではきらいだけど、チーズといっしょだとおいしかったです。
 次においしかったのは、ホリアティキです。それはダイコン、ニンジン、コーン、キュウリが入っていて、まるで日本のサラダみたいでした。その上にサラダ油をかけてみました。そうしたら、もとの味と急にちがう味になって、そのほうがおいしかったです。三番目においしかったのは、ヨーグルトケーキです。ギリシアではヨーグルトが人気なので、それをイメージして作ったそうです。片づけの時間になって、急いで食べなくてはいけなかったのに、おいしくて食べるのがゆっくりになってしまいました。片づけは、先に食べ終わったはんの人たちがしてくれました。
 どの料理もおいしくて、「さすが文化遺産に登ろくされただけあるな」と思いました。











◯ 朝からずっと楽しみにしていたんだろうね

この作文がきっかけで、いろいろな学校の「給食特集」をすることになった。
こちらの「家庭科作文」へ。

もどる



 「ラフティング」

詩乃ちゃんは、なかなかの冒険家だ。

添削例・諸注意
 私は8月22~24日に家族で水上高原ホテルにとまって、23日にラフティングをしました。ラフティングというのは、ボートで高い波をのりこえながら、川を下っていくスポーツです。
 その日は朝起きてすぐ、バスで出発しました。お父さんと二人で、こう衣室で水着に着がえて、その上にウェットスーツとライフジャケットを着ました。またバスに乗って、スタート地点に着きました。
 同じチームの人たちと会いました。みんなやさしそうだったので、「よかった」と思いました。コーチの人はおもしろそうだったので、「ラフティングが楽しくできそだな」と思いました。その日は雨が降っていたので、「だいじょうぶかな」と思っていると、コーチが、「雨が降っているほうが、ボートで下る距りがふだんより3㎞もふえる」と言ったので、「ラッキー」と思いました。説明が終わって、いよいよラフティングが始まりました。私はお父さんとならんで、前から2番目にすわりました。同じチームの8人でオールをこぎました。さいしょは、あんまり波が来なかったけれど、だんだん川の流れが急になって、わくわくしました。川を下っていると、カメラマンが岩の上や橋の上にいたので、私は手をふりました。大きい岩もありました。川を下っていて、特に楽しかったのは、高い波の所です。流れが速くて波が立っている所では、少しこわかったけど、しぶきがかかっていい気持ちでした。他のボートでは人が水の中に落ちていましたが、私たちのボートの人は一人も落ちなかったので、たっせいかんを感じました。ゴール近くで、みんなボートから降りて、高い岩から水の中へとびこみました。私は川の中で少しおぼれましたが、とてもゆかいでした。ちょっと進むとゴールでした。
 ゴールに着いて着がえをすませ、バスに乗ってホテルに帰りました。「また行きたいな」と思いました。

冒険はまだ続く。

もどる



 「ツリートレッキング」

添削例・諸注意
 8月22日~24日、家族で水上高原ホテルにとまって、24日にお父さんとツリートレッキングをしました。これは、ワイヤーをつたって木と木の間を渡るアスレティックです。
 11時にホテルの庭に集まって、係の人からワイヤーの通し方や安全ベルトのつけかたなど、いろいろなことを教えてもらいました。私が「すごいな」と思ったのは、命づなとそれに付いている安全ベルトです。もしも落ちても、けがをしないし、ワイヤーをつかんでいれば安心して進むことができるからです。
 ホテルのうら山に行って、さっそくツリートレッキングが始まりました。最初にはしごを登り、板の橋を渡りました。ビルの3階ぐらいの高さだったので、「はじめてなのに、こんなにこわいなんて、どうしよう」と思いました。
 十字型のあみや板ばしごを登って、ついにつな渡りの場所にきました。ロープにつかまって、すき間のある板の上を渡っていきます。高さが5メートル、長さが20メートルぐらいあったので、せ中がゾクゾクッとしました。前半は足がガクガクしたけれど、後半になってだんだんこわくなくなりました。
 渡りきると、次はターザンです。命づなにつかまって、ななめにすべり下りました。もう一つのターザンロープがあって、それをすべり下りると地上につきました。
 ホテルにもどって、お父さんはお母さんにトレッキングのことを「あれはこわいよ。あれ、こわいよ」と言っていたと、お母さんから聞いて、「お父さんでもこわいことがあるのか」と思いました。


















あれはこわい。すき間から下が見えると、たしかにこわい。

もどる



「おひがん」

添削例・諸注意
 9月23日、私は家族でさい玉県の小川町に行きました。おじいちゃんのおひがんのためです。
 おばあちゃんの家におぼうさんが来ました。おじいちゃんが亡くなって最初のおひがんだから、おぼうさんが来たと聞いておどろきました。
 おじいちゃんの仏だんのある部屋に、お客さんや私の家族が集まりました。私はおばあちゃんのとなりで、一番前のざぶとんにすわりました。おぼうさんが、おきょうが書いてある本をみんなに渡しました。おぼうさんが「3回おじぎをしてください」と言ったので、おじぎをしました。おぼうさんがおきょうを読み始めたから、私もまねして読んでみました。たまにつっかえるところもあったけど、何とかいっしょに読めました。おきょうのとちゅうで、正ざがつらくなってきました。そして、首元からあせが出てきました。「いつまでやるのかな」と思いました。おしょう香が回ってきました。おばあちゃんのまねをして、私もお香をくべました。前にもしたことがあったので、「ああ、こういうのだったな」と思いました。最後に、もう一度、おぼうさんに言われて、おじぎをしました。
 おきょうが終わって少したってから、おばあちゃんに「おぼうさんにお茶をあげて」と言われたので、きんちょうしました。ドキドキしながらお茶をあげました。お坊さんは「ありがとうございます」と言ってくれました。お坊さんはえらい人で、あまり会えない人というイメージがあったので、お茶を上げてうれしい気持ちになりました。
 片づけをした後、もう一度おじいちゃんにお参りをして帰りました。








○ 順序よく、よく書けている。
 「おひがん」の様子がよく分かる。

こんなに心をこめておまいりをしてくれたので、
おじいちゃんはきっと喜んだことだろうね。

もどる



 『フィリピン旅行』

「旅行」の部に掲載。こちら

もどる



8、「新体操の参観」

準備中


こちらへ

しばらくお待ちください。

ご意見・ご希望・ご質問はこちら


もどる



添削例・諸注意