1.宙ちゃん作文ワールド パートⅡ |
①「にじ」 |
⑧「空飛ぶゼニガメ」 ○「イグアナがにげた」 (添削マガジン) |
作文ワールド(原点)
Ⅱの表紙へ 作文ワールドⅢ(社会科作文)
Ⅳ(理科作文) Ⅴ(スポーツ作文) Ⅵ(七五の四行詩) Ⅶ(図工作文)
Ⅸ(家庭科作文) Ⅷ(エトセトラ) Ⅹ(作文のこころ)
「東日本大震災」の作文・第1部 第2部・第3部
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小学生の国語と作文
作文打出の小づち
総もくじ
作文編 国語編 小論文編 閑 話
宙ちゃんは今、小学3年生(Sep.'01)。去年の夏休みに入る少し前に、道場にやってきた。チュウちゃんという。
宙ちゃんはせっせと書く。「きれいだな」というテーマについて、洗車に行った時のことを書いた。
① 「にじ」
初めの作文 | 添削例・諸注意 |
にじ お父さんとお姉ちゃんと車を洗いにせん車 場へいきました。 さいしょはぞうきんに水をつけて車をふき ました。お父さんがやねで、ぼくがタイヤで、 お姉ちゃんがまどのかかりでした。つぎに、 スポンジに水をつけてふきました。それから そうじきで車の中のゴミをとりました。 さいごに水とシャンプーのボタンをおすと あわといっしょに水がいきおいよくでてきま した。車にあたってしぶきが上がりました。 そのときににじがでました。お姉ちゃんとぼ くはにじをくぐってみました。にじをくぐっ たらちょっとぬれました。 にじはきれいでした。車をあらってからお 父さんは近くの自どうはんばいきでジュース をおごってくれました。 |
← ぼくはお父さんと…… |
車をあらいに せん車場 さいしょはぞうきん 水をつけ やねは父さん ぼくタイヤ まどのかかりは お姉ちゃん |
つぎはシャワーで シャンプーだ いきおいつよく ふきつけろ あわにまじって しぶきがあがる にじがたったよ ああ にじだ! |
次に、一番の傑作を紹介しよう。
来て2か月後くらいの頃のことだった。
宙ちゃんは金曜日に来ている。
② 作文のだいがない
初めの作文 | 添削例・諸注意 |
作文のだいがない ぼくは作文どうじょうで出された作文のし ゅくだいを木よう日にやろうとおもった。し かし作文のだいがみつからないから金よう日、 学校からかえってからやろうと思った。しか し、その日もだいがみつからなかった。ぼく はこのときどうしようかとおもった。だいが みつからないまま、時間だけがすぎていく。 でも、やっぱりだいがみつからない。そした ら、お父さんとお母さんが作文のだいのヒン トをくれた。お父さんは今がっこうでやって る勉強の100マスたしざんか、カードあつめの ことをかけばといった。お母さんは、ぼくを お母さんがだっこしてマンションをひとまわ りしてしてくるあいだの気もちか、作文のだ いがないにしたらといった。そのけっか、ぼ くはこのだいにした。ぼくはなんでだいがな いんだろうとかんがえた。ぼくは心にのこっ てないからだ、とおもう。こんどから、心に のこしておこうとおもった。 |
← ※「だいがみつからないまま……」で改行。 ← ※「ぼくはなんで……」で改行。 |
読点の打ち方や漢字についての注意事項は、ここでは省略する。
テンポがまことに快い。
初めの作文 | 添削例・諸注意 |
お父さんとお母さんのいない日 10月31日の火よう日、お父さんとお母さん が、らくごをききに行きました。それでぼく とおねえちゃんだけになりました。おかしを たべながら、ビデオを見てました。ビデオは のび太の太よう王でんせつとひとみの中のあ んさつしゃでした。おねえちゃんはひとみの 中のあんさつしゃがこわいといっていました。 ぼくは、お父さんとお母さんがいないからじ ゆうでうれしかったです。お母さんは火をつ かってはだめといったのでおふろにはいれま せんでした。二つのビデオをみてもじかんが あまったのでのび太の太よう王でんせつをも う一回見ました。そしてゲームをしました。 ゲームはマリオパーティーをやりました。ね むくなったのでゲームをやめてねようとした けど、お母さんたちが帰ってこないのでしん ぱいでねむれませんでした。けどよこになっ たらお母さんたちがすぐにかえってきてくれ たのですぐねむれました。 |
← それで、ぼくと…… ※ 以下、かっこ、読点、漢字等の注意事項は省略。次の書き直しの答案参照。 |
書き直した作文 | 添削例 |
お父さんとお母さんのいない日 10月31日の火曜日、お父さんとお母さんが らくごを聞きに行きました。それで、ぼくと お姉ちゃんだけになりました。おかしを食べ ながら、ビデオを見ました。ビデオは「のび 太の太よう王でんせつ」と「ひとみの中のあ んさつしゃ」でした。お姉ちゃんは「ひとみ の中のあんさつしゃ」がこわいと言いました。 ぼくはお父さんとお母さんがいないから、 じゆうでうれしかったです。お母さんは火を つかってはだめと言ったので、おふろに入れ ませんでした。二つのビデオを見ても時間が あまったので、「のび太の太よう王でんせつ」 をもう一回見ました。そして、ゲームをしま した。「マリオパーティー」をやりました。 ねむくなったので、ゲームをやめてねよう としたけど、お母さんたちが帰ってこないの でしんぱいでねむれませんでした。でも、よ こになったら、お母さんたちが帰ってきてく れたので、すぐねむれました。 |
安心して眠った様子が目に浮かぶ。
初めの作文 | 添削例・諸注意 |
ちきゅうぎのたび ぼくの前にちきゅうぎがある。ちきゅ うの半分いじょうがうみだ。でも、ぼくは ちきゅうの半分いじょうがうみなのにう みにいったことがすくない。お母さんと お姉ちゃんとお父さんはにほんいがい のくににもいったことがあるのにぼくだ けにほんいがいのくににいったことがな い。お母さんはオーストラリアとマレー シアにいったことがあってお父さんがフ ランスとちゅうごくとマレーシアにいった ことがあってお姉ちゃんがマレーシアに いったことがある。ぼくはお母さんのい ったことのあるオーストラリアにいきた い。なぜかというとブーメランがうってい るからだ。それと、オーストラリアにいっ たともだちもいる。お母さんは小学六年 生になったらつれていってくれるといっ ている。早く小学六年生になりたい。 |
※ 書ける漢字は使おう。 ← 改行。 ← …あるのに、ぼく ← …あって、お父さん ← …あって、お姉ちゃん ← 改行。 |
書き直した作文 | 添削例・諸注意 |
地きゅうぎのたび ぼくの前に地きゅうぎがある。地きゅ うの半分いじょうが海だ。でも、ぼくは 海にいったことが少ない。 お母さんとお姉ちゃんとお父さんは、 日本いがいの国にも行ったことがある のに、ぼくだけ日本いがいの国に行っ たことがない。お母さんはオーストラリ アとマレーシアに行ったことがあって、 お父さんはフランスと中国とマレーシア に行ったことがあって、お姉ちゃんがマ レーシアに行ったことがある。 ぼくはお母さんの行ったことのあるオ ーストラリアに行きたい。なぜかという と、ブーメランを売っているからだ。それ と、オーストラリアに行った友だちもい る。お母さんは小学六年になったら、つ れていってくれるといっている。 早く小学六年生になりたい。 |
夢は海外へとふくらむ。
初めの作文 | 添削例・諸注意 |
タンポポを食べた ある日、学校の20分休みにたか文 くんとひみつきちをつくりました。花だ んのうらの人の目につかないところに、 ぼうで回りをかこんでつくりました。そ の日にあるやくそくをしました。それは つぎの日にしおとさとうをもってくるとい うやくそくです。それでつぎの日になり ました。ぼくがしおでたか文くんがさと うをもってきました。そして、タンポポの はっぱの上にかけて食べました。味は まずいようなおいしいようなよくわかり ませんでした。次の日、ぼくはたか文 くんがわすれるかもしれないのでさと うとしおのりょうほうをねんのためもっ てきました。そしたらぼくのかんはて きちゅうしました。なんと、たか文くん はさとうがいえになかったのでくりをも ってきたのです。ぼくたちはさすがにタ ンポポにくりはかけないでくりにさとう をかけてたべました。なのでしおはぼ くがかえる時に食べました。そして冬 休みになったのでかいさんしました。 |
(※ 読点の打ち方についての注意は省略。次の書き直した文を参照) ← まわりを(周りを) ← 次の日(※改行) ← ひみつきちにはタンポポがあったのです。 ← その次の日(※改行) ← (※改行) 冬休みになったので、ひみつきちは |
学校生活の一端がうかがわれる。
読点の打ち方とともに、知っている漢字は使うよう指示する。
書き直した作文 | 添削例・諸注意 |
タンポポを食べた ある日、学校の20分休みに、たか文 くんとひみつきちを作りました。花だん のうらの人の目につかないところに、ぼ うでまわりをかこんで作りました。その 日に、あるやくそくをしました。それは、 次の日にしおとさとうをもってくるという やくそくです。 次の日、ぼくがしおで、たか文くんが さとうをもってきました。そして、タンポ ポのはっぱの上にかけて食べました。 ひみつきちにはタンポポがさいていた のです。味はまずいような、おいしいよ うな、よくわかりませんでした。 その次の日、ぼくは、たか文くんがわ すれるかもしれないので、さとうとしお のりょうほうを、ねんのためもっていきま した。そしたら、ぼくのかんはてきちゅう しました。なんと、たか文くんはさとうが 家になかったと言って、くりをもってきま した。ぼくたちはさすがにタンポポにくり はかけないで、くりにさとうをかけて食 べました。しおがのこったので、帰る時 に食べました。 冬休みになったので、ひみつきちは かいさんしました。 |
宙ちゃんは好奇心が旺盛で、調べものもよくするようだ。
そんなことから、自然に読書家にもなっている。これはその一端である。
例によって、ひらがながちで、読点もかなり無視して書いてある。
初めの作文 | 添削例・諸注意 |
ぜつめつした動物 ぜつめつした動物は、エピオルニス やタスマニアオオカミや、サーベルタ イガーなどいろいろあります。そのな かでもっとも、ぼくがすきなどうぶつは サーベルタイガーだ。なぜかというと かっこうよくて、つよいからです。 でもサーベルタイガーは八〇〇〇年 から一万年まえにぜつめつしてしまっ たのでもういません。もし、サーベルタ イガーがいまもいきていたとしたらペッ トにして、つれて歩いたり、のったりし たいです。でもサーベルタイガーは人 をたべたりするからちょっといまもいき ていたらたいへんかもしれません。 ライオンとトラとサーベルタイガーが たたかったらぼくは大きな牙のサーベ ルタイガーがかつと思います。母さん はぜつめつしたりゆうはキバを大きく しすぎたからだといっています。ぼく は、とにかく大きくなってしまうとぜつ めつしてしまうんだと思います。たとえ ばからだをでかくしてしまったきょうりゅ うや大ナマケモノなどみんなぜつめつ しています。なぜ大きいのはぜつめつ したかというと、まわりのへんかにたい おうできなかったからです。地きゅうの へんかがなかったらたくさんのどうぶつ がいきていたかもしれません。 |
(※ 漢字については円囲みの印をつけておく) ← その中で、ぼくが最も好きな ← サーベルタイガーです。 ← でも、サーベル… ← ……したら、ペット ← でも、サーベル ← ……するから、今も生きていたら、ちょっと大変かも ← たたかったら、ぼくは ※ 「母さんは…」で改行。 ← 例えば、体を ← ……なかったら、たくさんの |
漢字で書くべきところには赤で印をつけておく。宙ちゃんはそれをたいてい漢字で書いていく。
学年配当漢字を気にしなくても済む。
今回は「ぜつめつ」と「きょうりゅう」について辞書を引かせる。
初めの作文 | 添削例・諸注意 |
絶滅した動物 絶滅した動物は、エピオルニスやタ スマニアオオカミ、サーベルタイガーな ど、いろいろあります。その中で、ぼく が最も好きな動物はサーベルタイガー です。なぜかというと、かっこうよくて、 強いからです。 でも、サーベルタイガーは八千年か ら一万年前に絶滅してしまって、もう いません。もし、サーベルタイガーが 今も生きていたとしたら、ペットにして、 つれて歩いたり、乗ったりしたいです。 でも、サーベルタイガーは人を食べた りするから、今も生きていたら、ちょっ と大変かもしれません。 ライオンとトラとサーベルタイガーが 戦かったらぼくは大きな牙のサーベル タイガーが勝つと思います。 母さんは、絶滅した理由はキバを大 きくしすぎたからだと言っています。ぼ くは、とにかく大きくなってしまうと絶滅 してしまうんだと思います。例えば、体 をでかくしてしまった恐竜やオオナマケ モノなど、みんな絶滅しています。なぜ 大きいのは絶滅したかというと、まわり の変化に対応できなかったからです。 地球の変化がなかったら、たくさんの 動物が生きていたかもしれません。 |
← 人をおそったり食べたりするから |
これは春休みの作で、4月から宙ちゃんは3年生になる。
ほとんど毎週書いているから、かなりの数になるのだが、2年生の時のものはこのくらいにしておこう。
初めの作文 | 添削例 |
ぼくはポシェット ぼくはポシェットです。ぼくのごしゅじん は加藤宙太郎くんです。宙太郎くんは三年生 です。宙太郎くんは毎日友だちとあそぶとき など、ぼくをおなかにくっつけます。いつも はベイブレードを入れます。でも、たまにロ クヨンのコントローラーなどとてもたくさん 入れてとてもきつくなることがあります。 ぼくは、宙太郎くんのお母さんに買ってき てもらいました。ぼくは入れる場所が二つあ って二つともチャックしきです。前の入れる 場所の前には、にわとりのえと、lecoqspo- ttifというなまえが書いてあります。 ぼくはごしゅじんさまにずいぶんきにいら れてるようで、うれしいです。もっといっぱ い使ってもらいたいです |
かつて「添削マガジン・『光る文章』講座」に掲載した「イグアナがにげた」を収載しておこう。
マガジンのレイアウト(「←」や「※」などの符号)の関係で左寄せにしてある。
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「光る文章」というのは「説得力のある文章」や「好感のもてる
文章」のことです。
原石が玉となって輝く様子をご覧ください。
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——— も く じ ———
(0)作者と作文のプロフィール
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(1)答案(原文)
原文右横の「←1」は添削例、「※1」は注意事項です。
内容は、次の(2)に書きます。
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(2)添削例・諸注意
本来は答案用紙に赤ペンで書き込んでいる事柄です。メール
画面という制約上、全てを転記できない場合があります。
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(3)講評
添削答案に添付しているもので、評価と注意です。受験生に
は目安のためにランクと得点を付記します。
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(4)書き直した答案
上の「(2)」や「(3)」を参考にして書き直したもので
す。
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(0)作者と作文のプロフィール
宙ちゃんは小学3年生。作文道場に来て1年半になります。
愛読書は『ファーブル昆虫記』で、自分でも近所の林へよく
虫探しに出かけます。
今年の正月にお年玉を「なんと、5000円も」もらった
ので、イグアナを飼うことにしました。インターネットや電
話帳でいろいろ調べて、幼いイグアナを3980円で手に入
れることができました。
そのイグアナは今は35センチくらいだということですが、
成長すると、2メートルにもなるのだそうですね。
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(1)作文(原文) ———『イグアナがにげた』———
ある日、ぼくと姉がたまたま学校から帰るときにあっ
ていっしょに帰った。家につくと父が「イグアナいるか
?」ときいた。ぼくはいるに決まっていると思いながら ←1.
ケースをのぞいた。すると、なんと、イグアナがいない。 ※1.
ぼくと姉と父は必死でさがしまくった。ぼくたちは家の ※2.
すみからすみまでさがしまくった。だが、イグアナはい
ない。そこへ、きょうあそぶやくそくをしていたニッシ
−がきた。ぼくはニッシ−にイグアナがいないことをは
なすと、ニッシ−もいっしょにさがしてくれることにな
った。するとニッシ−が「外にいるんじゃないの」とい ←2.
った。ぼくもこれだけさがしていないんだったら外にい
るんだと思い外にでた。ニッシ−が「イグアナは何色?」 ※3.
ときいてきたので、ぼくは、「少しきいろと茶色がかっ
たみどりいろ」といった。そして20分ぐらいさがしたが ※4.
いないのでニッシ−とイグアナはわすれてあそんでいた。 ←3.
ニッシ−が帰ったあと、母がかえってきた。母にイグア ※5.
ナのことをはなすと、母もさがしてくれた。そして、ま
たさがしていると、母がカーテンにいるのをみつけた。 ※6.
ぼくは本当にみつかってよかったと思った。
(以上、約500字)
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(2)添削例・諸注意
←1.ぼくは、いるに決まっていると思いながら、……
※1.ここで改行する。
※2.さがした所を全部書こう。
←2.少しさがして、ニッシ−が……
※3.改行する。
※4.さがした場所を全部書こう。
←3.……いないので、イグアナのことはわすれてニッ
シ−と遊んで……
※5.改行する。
※6.「カーテンのかげにいた」のか、「カーテンにぶ
ら下がっていた」のか。
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(3)講評(口頭)
○ 大事なものがいなくなったとあっては、そりゃあ、
びっくりしただろうなあ。あわてたことだろう。「必
死でさがしまくった」というところで、それがよく分
かる。
ところで、どんな所をさがしたのかな。それを全部
書いてみよう。そうすれば、三人の必死な様子も、見
つかってほっとした様子も、もっとよく伝わるだろう。
○ 習った漢字、知っている漢字は使おう。
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(4)書き直した答案
ある日、学校から帰るときに、ぼくと姉がたまたま出
あっていっしょに帰った。家につくと、父が「イグアナ
いるか?」と聞いた。ぼくは、いるに決まっていると思
いながら、ケースをのぞいた。すると、なんと、イグア
ナがいない。
ぼくと姉と父は必死でさがした。ぼくたちは机の下か
ら押入れの中、風呂場の湯船の下、トイレの中まで、家
のすみからすみまでさがしまくった。だが、イグアナは
いない。そこへ、今日遊ぶやくそくをしていたニッシ−
がやって来た。ぼくはニッシ−にイグアナがいないこと
を話すと、ニッシ−もいっしょにさがしてくれた。少し
さがして、ニッシ−が「外にいるんじゃないの」と言っ
た。ぼくも、これだけさがしていないんだったら、外に
いるんだと思って外に出た。
ニッシ−が「イグアナは何色?」と聞いたので、ぼく
は、「少し黄色と茶色がかった緑色」と答えた。そして、
いろんな所をさがした。マンションの下、マンションの
うら、ロッカーとロッカーの間をさがした。20分ぐらい
たった。でも、どこにもいなかった。とうとうイグアナ
のことはわすれて、ニッシ−と遊んだ。
ニッシ−が帰ったあと、母が帰ってきた。母にイグア
ナのことを話すと、母もさがしてくれた。またさがして
いると、母がカーテンにぶら下がっているのを見つけた。
ぼくは、見つかって本当によかったと思った。
イグアナはかくれんぼがじょうずだ。
(以上、約650字)
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