コサギ


8.日菜さん


作文ワールド
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「白」
「黒」
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「紫」

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8.日菜さん

 日菜さんは小学5年生。このホームページには、すでに「理科作文」に『土』で登場している。
課題を与えられると、日菜さんは連想されるものについて、いつも現象などを調べてから書いている。

 課題については次のようなものがある。
 「山」「川」「海」「空」、「雪」「月」「花」「太陽」、「雲」「雨」「風」「光」、「町」「村」「道」「駅」、
「春」「夏」「秋」「冬」、「火(ひ)」「水(みず)」「木(き)」「土(つち)」、……。
 日菜さんはこれらについては書き終えて、今は「色」について書いている。
上の目次にあるように、「赤」から順に紹介しよう。



「赤」

はじめの作文 添削例
 赤といえば、リンゴが思いうかびます。リンゴは始め黄緑色をしているのに、どうして赤色になるのか、品種は何種類なのか、気になり調べてみました。
 リンゴはバラ科のリンゴ属の樹木で、色は赤色と黄緑色があります。花は真っ白で美しく、春に咲きます。私の学校にもヒメリンゴの木があり、春になると、とても美しい花が開きます。リンゴのさいばいの歴史は古く、日本へは明治時代初期にヨーロッパから伝わりました。日本では、青森県がリンゴさいばいがさかんです。リンゴの品種は、デリシャス、つがる、千秋など、とても多く、世界と日本を合わせて2万種以上あります。その中でも、代表的なものは「フジ」というリンゴです。旬は10月から3月ごろです。
 なぜ、リンゴが赤く色づくかというと、皮からアントシアンが作られるからです。アントシアンとは、でんぷんが糖に変わることと低い温度と、し外線からできます。リンゴをより真っ赤にするため、農家の人たちは工夫をしています。例えば、袋かけをしたり、つる回しをしたり、葉取りをしたりしています。文字をうつせる、おもしろいリンゴも作れます。作り方は、袋を開けてから文字のシールをはり、何日かしてもぎとると、文字がうつっているリンゴになります。マークや絵のリンゴが店で売っていればおもしろいなと思いました。
 私は、リンゴは日光の光りだけで日焼けみたいな感じで色が変わるのかと思っていたけれど、でんぷんや低い気温も関係していたので感心しました。これからは、リンゴの種類にも気をつけて食べようと思います。あと、食べる時はリンゴを作ってくれた農家の人に感謝して食べたいです。





※ 「美しく」 をとる。ここではリンゴについての説明なので、感想めいたことは入れない。そのあとのところは入れたままでよい。
※「リンゴのさいばい……」で改行する。

※ 品種について、世界と日本を分けよう。



← これは、でんぷんが糖に変わって、そこに低い温度で紫外線が当たるとできます。

※「袋かけ……」をとる。
※「文字を……」で改行する。





← 日光だけで

← ……関係していることを知って、調べてよかったと思いました。

 連想は奇抜というわけではないが、いったい何を調べたのかが興味深い。

書き直した作文
 赤といえば、リンゴが思い浮かびます。リンゴは始め黄緑色をしているのに、どうして赤色になるのか、品種は何種類なのか、気になって調べてみました。
 リンゴはバラ科のリンゴ属の樹木で、色は赤色と黄緑色があります。花は真っ白で、春に咲きます。私の学校にもヒメリンゴの木があり、春になると、とても美しい花が開きます。
 リンゴのさいばいの歴史は古く、日本へは明治時代初期にヨーロッパから伝わりました。日本では、リンゴさいばいは青森県がさかんです。リンゴの品種は世界で2万種以上あります。日本でもデリシャス、つがる、千秋など、とても種類が多く、代表的なものは「フジ」というリンゴです。旬は10月から3月ごろです。
 なぜ、リンゴが赤く色づくかというと、皮からアントシアンが作られるからです。これは、でんぷんが糖に変わって、そこに低い温度で紫外線が当たるとできます。リンゴをより真っ赤にするため、農家の人たちは工夫をしています。例えば、つる回しをしたり、葉取りをしたりしています。
 文字をうつせる、おもしろいリンゴも作れます。作り方は、袋を開けてから文字のシールをはり、何日かしてもぎとると、文字がうつっているリンゴになります。マークや絵のリンゴが店で売っていればおもしろいなと思いました。
 私は、リンゴは日光だけで日焼けみたいな感じに色が変わるのかと思っていましたが、でんぷんや低い気温も関係していることを知って、調べてよかったと思いました。これからは、リンゴの種類にも気をつけて食べようと思います。また、食べる時はリンゴを作ってくれた農家の人に感謝して食べようと思います。

 次は「青」だ。どんな連想から、何を教えてくれるのだろうか。



「青」

はじめの作文 添削例
 私は、去年の夏に学校の宿泊生活で、千葉の勝浦に行きました。海は夏なのに冷たくて、色はこい青色でした。家族でオーストラリアのグレートバリアリーフにも行きました。海の色は千葉とはちがって、うすい青色や緑色などでした。
 千葉の海で遠泳をしましたが、どこを泳いでも海の色はこい青色です。浜は茶色い細かい砂でした。朝、朝礼で浜辺に行くと、緑色のワカメや黒いワカメ、茶色の貝などがたくさん流れて来ました。時には5センチメートルくらいのクラゲや魚を取るあみも流れて来ました。変な物が流れてくるなと思いました。
 オーストラリアの海ではシュノーケリングでサンゴしょうを見ました。海の色は何百メートルも先までうすい青色と緑色をしていました。浜は白い砂でしたが、その砂は全部サンゴのかけらでできていました。シュノーケリングで海の中を見ると、青、緑、黄色のきれいなサンゴと、赤、オレンジ、青、黄色の魚たちがたくさんいました。太陽の光がサンゴに当たるとキラキラ光り、とてもきれいでした。ここでは、私は浜の近くの海しか見ていないので、もっと遠くに行くともっときれいなんだろうなと思いました。遠くの海が緑色をしているのは、たぶんサンゴの白っぽい黄色に海の青が混じり合っているからだと思います。今度グレートバリアリーフに来たときは、もっと遠くまで行ってみようと思います。
 私は今までに何回も海に行きましたが、一番きれいな海は、やっぱりオーストラリアの海だと思います。けれど、千葉の海もその地域の特徴を生かして海になったのだから、やっぱりすごいと思いました。ちがう海にもぜひ行ってみたいと思います。


← ……青色でした。また、そのあと家族で……





← たくさん流れ着いていました。

← あみも混じっていました。






← きれいなサンゴが広がり、……魚たちがたくさんいました。







← ……グレイトバリアリーフに行ったときは、



※ 千葉の海のいいところを、もっとはっきりさせよう。

 「すごい」というのは、どういうところなのだろう。それを書いてもらうことになる。

書き直した作文
 私は、去年の夏に学校の宿泊生活で、千葉の勝浦に行きました。海は夏なのに冷たくて、色はこい青色でした。また、そのあと、家族でオーストラリアのグレートバリアリーフにも行きました。海の色は千葉とはちがって、うすい青色や緑色などでした。
 千葉の海で遠泳をしましたが、どこを泳いでも海の色はこい青色です。浜は茶色い細かい砂でした。朝、朝礼で浜辺に行くと、緑色のワカメや黒いワカメ、茶色の貝などがたくさん流れついていました。時には5センチメートルくらいのクラゲや魚を取るあみも混じっていました。変な物が流れてくるなと思いました。
 オーストラリアの海ではシュノーケリングでサンゴしょうを見ました。海の色は何百メートルも先までうすい青色と緑色をしていました。浜は白い砂でしたが、その砂は全部サンゴのかけらでできていました。シュノーケリングで海の中を見ると、青、緑、黄色のきれいなサンゴが広がり、赤、オレンジ、青、黄色の魚たちがたくさんいました。太陽の光がサンゴに当たるとキラキラ光り、とてもきれいでした。ここでは、私は浜の近くの海しか見ていないので、もっと遠くに行くともっときれいなんだろうなと思いました。遠くの海が緑色をしているのは、たぶんサンゴの白っぽい黄色に海の青が混じり合っているからだと思います。今度グレートバリアリーフに行ったときは、もっと遠くまで行ってみようと思います。
 私は今までに何回も海に行きましたが、一番きれいな海は、オーストラリアの海だと思います。けれど、千葉の海も、目の前がどこまでも青々と続く太平洋なのだと思うと、やっぱりすごいと思います。

 課題とも呼応して、いい締めくくりになった。

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「白」

はじめの作文 添削例
 白といえば、雲を思い付きます。雲は空のあちこちに生まれ、動きながらどんどん形を変え、そして、いつかは消えてしまいます。同じ形のものは一つもありません。けれど、すじ雲、うろこ雲、うす雲、雨雲と、形やすがたがちがった雲はたくさんあります。
 なぜ雲ができるかというと、海や川、地面などの水が日光で温められて水蒸気になり、上昇気流とともに空へと上がります。上空では気温が低いために、冷えて空気中のごく小さなちりにくっつき、小さな水のつぶになり、さらに上空では氷のつぶとなります。これらの小さなつぶが集まって雲になるのです。
 雨は雲からふりますが、なぜ雨はふるのでしょうか。雨をふらせる雲には、低い所に広がるものと、上下に長いものがあります。上下に長い雲の上のほうは氷のつぶでできています。それらは、下から上昇してくる水蒸気とくっついて大きくなり、重くなって下に落ちていきます。地上に近づくにつれて気温が高くなるため、氷がとけて雨になるのです。雨をふらせる雲は、厚みのある雲ほどよく雨をふらせます。代表的な雨雲は積乱雲や乱層雲で、日本では大雨をふらせる雲の名前に「乱」の字がつけられます。雨つぶはおよそ100万個の雲つぶが集まって、ようやく一つぶの雨つぶになります。ふってくるときは、下が平らなまんじゅうのような形になっています。
 雪も雲からふります。雪は地上から上昇した水蒸気が上空で冷やされてできる雲からふってきます。水蒸気は空気中のちりにくっついて雲の上のほうで氷の結晶となります。この結晶にさらに水蒸気がついて大きくなり、重くなると下に落ちてきます。とちゅうでとけると雨になり、とけずにふると雪になります。雪のもとの形は六角形です。気温がマイナス15度以下で、天気がよく、風がふいていないときに、冷やされた水蒸気が結晶となって空気中にただようことがあります。それが太陽の光をあびてきらきら光る現象をダイヤモンドダストとよんでいます。
 私は、クモと言えば、入道雲やうろこ雲を思い付きますが、今回は大まかな雲と雨、雪について調べました。雲は水蒸気と上昇気流からできるということを始めて知りました。今度はぜひ、ダイヤモンドダストを見てみたいなと思いました。
← 雲が思いうかびます。


← ……ありません。雲にはすじ雲、……雨雲など、形や大きさのちがった雲がいろいろあります。



← 低いために冷えて、空気中の……

















← ……形になっています。ただ、落ちるスピードが速いので、人間の目にはすじに見えます。










← きらきら光ると、ダイヤモンドダストとよばれます。

※ 最後の段落では題の「白」もどって締めくくろう。

 白から雲を連想し、興味は雨から雪、ダイヤモンドダストにまで及んでいる。
興味のままに調べを進めるのもよかろう。ただし、締めくくりでは題にもどりたい。

書き直した作文
 白といえば、雲が思いうかびます。雲は空のあちこちに生まれ、動きながらどんどん形を変え、そして、いつかは消えてしまいます。同じ形のものは一つもありません。雲にはすじ雲、うろこ雲、うす雲、雨雲など、形や大きさのちがった雲がたくさんあります。
 なぜ雲ができるかというと、海や川、地面などの水が日光で暖められて水蒸気になり、上昇気流とともに空へと上がります。上空では気温が低いために冷えて、空気中のごく小さなちりにくっついて小さな水のつぶになり、さらに上空では氷のつぶとなります。これらの小さなつぶが集まって雲になるのです。
 雨は雲からふりますが、なぜ雨はふるのでしょうか。雨をふらせる雲には、低い所に広がるものと、上下に長いものがあります。上下に長い雲の上のほうは氷のつぶでできています。それらは、下から上昇してくる水蒸気とくっついて大きくなり、重くなって下に落ちていきます。地上に近づくにつれて気温が高くなるため、氷がとけて雨になります。雨をふらせる雲は、厚みのある雲ほどよく雨をふらせます。代表的な雨雲は積乱雲や乱層雲で、日本では大雨をふらせる雲の名前に「乱」の字がつけられています。雨つぶはおよそ100万個の雲つぶが集まって、ようやく一つぶになります。ふってくるときは、下が平らなまんじゅうのような形になっています。ただ、落ちるスピードが速いので、人間の目にはすじに見えます。
 雪も雲からふります。雪は地上から上昇した水蒸気が上空で冷やされてできる雲からふってきます。水蒸気は空気中のちりにくっついて雲の上のほうで氷の結晶となります。この結晶にさらに水蒸気がついて大きくなり、重くなると下に落ちてきます。とちゅうでとけると雨になり、とけずにふると雪になります。雪のもとの形は六角形です。気温がマイナス15度以下で、天気がよく、風がふいていないときに、冷やされた水蒸気が結晶となって空気中にただようことがあります。それが太陽の光をあびてきらきら光ると、ダイヤモンドダストとよばれます。
 今回は雲について調べ、雲や雨、雪は水蒸気と上昇気流と気温の三つが合わさってできるということを初めて知りました。次は、雲や雪はなぜ白く見えるのかを調べたいと思います。

 何とか、作品としての帳尻は合ったようだ。それはそれとして、ここまで調べた労を多としたい。


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「黒」」

 ふつう、人は色の名から何を連想するだろうか。常に、この点が興味深い。

はじめの作文 添削例
 宇宙はとても暗くて、星がたくさんういています。星は夜になると、はるか上の空に、ピカピカ輝いています。どうして星は輝くのか、星座とは何か調べました。
 星のほとんどは、太陽と同じように自分で輝く星「恒星」です。恒星は、水素やヘリウムなどのガスが集まってできたものです。中心部では、水素やヘリウムは原子爆弾が爆発するのと同じような「かくゆう合反応」という現象を起こしていて、太陽で約1500万度という高温になっています。恒星はこの時に出る強力なエネルギーで光り輝いているのです。
 星といえば、昔の人々が星と星をつなぎ合わせて考えた星座があります。星座は、今から約4000年前、古代バビロニアの人々が夜空に輝く星と星をつないで、牛や羊、魚などの動物や、上半身が人間、下半身がサソリという神の姿をえがいたものです。私は、5月13日生まれで、おうし座です。おうし座が東の空にのぼるようになるのは、10月上旬の11時ごろ、11月上旬の9時ごろ、12月上旬の7時ごろです。おうし座はプレアデス星団とヒアデス星団、アルデパレンが目立ちます。古くからある星座にまつわる物語では、この「おうし」は大神ゼウスが変身した白牛とされています。恋多き神でもあるゼウスはあるとき、アフリカ北岸にあるフェニキアの王女エウローペに一目ぼれしました。そして、雪のように白い牛に化けてエウローペをさらい、海をわたってヨーロッパへ連れて行き、最後には地中海にうかぶクレタ島で結こんしたといわれます。ヨーロッパの名前は、海をわたってエウローペが上陸した所という意味でつけられたものです。
 星や星座のことを調べて、天文にとても興味が持てました。私はおと年の冬に理科の勉強でオリオン座を見たことがあります。今度はぜひ自分の星座のおうし座を観察したいと思います。まっ黒な空にも星があるので、心がいやされます。
※ 星の話が題の「黒」にもっとスムーズにつながるようにしてみよう。


← ……自分で輝く星で、「恒星」とよばれています。







← 星座は、……夜空に輝く星に動物の姿を見つけ、星と星をつないで牛や羊、魚などの形をえがいたものです。上半身が人間、……という神の姿をえがいたものももあります。
※「私は、」で改行。
← ……のぼるようになるのは秋で、
← おうし座にはスバル(プレアデス星団)などが含まれています。
※「古くから……」で改行。










※「星や星座の……」の文と次の文を入れ替える。

 日菜さんのお母さんによれば、調べたことばかりでなく、もっと体験を書いてほしいということである。
そう言われてみると、なるほど、知識と観察が逆転している。
しかし、観察にまで進むなら、これも一つの有効な方法であろう。

書き直した作文
 黒と聞くと、暗黒の宇宙が思いうかびます。宇宙はとても暗いのですが、星がたくさんういているのを見ると、目をうばわれてしまいます。星は夜になると、はるか上の空に、ピカピカ輝いています。どうして星は輝くのか、また、星座とは何なのか調べました。
 星のほとんどは、太陽と同じように自分で輝く星で、「恒星」と呼ばれています。恒星は水素やヘリウムなどのガスが集まってできたものです。中心部では水素やヘリウムが、原子爆弾が爆発するのと同じような「かくゆう合反応」という現象を起こしていて、太陽で約1500万度という高温になっています。恒星はこの時に出る強力なエネルギーで光り輝いているのです。
 星といえば、昔の人々が星と星をつなぎ合わせて考えた星座があります。星座は、今から約4000年前、古代バビロニアの人々が夜空に輝く星に動物の姿を見つけ、星と星をつないで、牛や羊、魚などの形をえがいたものです。上半身が人間、下半身がサソリという神の姿をえがいたものもあります。
 私は、5月13日生まれで、おうし座です。おうし座が東の空にのぼるようになるのは、10月上旬の11時ごろ、11月上旬の9時ごろ、12月上旬の7時ごろです。おうし座にはスバル(プレアデス星団)が含まれ、中心にあるのはアルデパレンです。
 古くからある星座にまつわる物語では、この「おうし」は大神ゼウスが変身した白牛とされています。恋多き神でもあるゼウスは、あるときアフリカ北岸にあるフェニキアの王女エウローペに一目ぼれしました。そこて、雪のように白い牛に化けてエウローペをさらい、海をわたってヨーロッパへ連れて行き、最後には地中海にうかぶクレタ島で結こんしたといわれます。ヨーロッパの名前は、エウローペが上陸した所という意味でつけられたものだそうです。
 私は一昨年の冬に理科の勉強でオリオン座を見たことがあります。星や星座のことを調べて、天文にとても興味が持てました。今度はぜひ自分の星座のおうし座を観察したいと思います。まっ黒な空にも星があるので、心がいやされます。

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「黄」

 日菜さんは黄色から何を連想しただろうか。

はじめの作文 添削例
 私は愛育委員で、動物が大好きです。私の学校にはチャボとニワトリとウサギがいます。チャボとニワトリは卵を生み、その卵からヒナが生まれます。ニワトリから生まれるヒナのことをヒヨコといいます。ヒヨコは主に黄色です。とてもかわいいヒヨコについて調べました。
 ニワトリは家ちくとして、色々な種類に改良されてきました。ニワトリの種類によってヒヨコの体の色もちがいます。例えば、黒色のミノルカだと黒色、ハンバーグだと黄色に黒色のぶち模様です。ニワトリとヒヨコはちがう色をしているものもあります。それは、ヒヨコが成長していくにつれてヒヨコの時の色の毛がぬけてニワトリ(親鳥)と同じ色になるのです。
 ニワトリはキジ目のキジ科の鳥で、世界中で広く飼育されています。名前は「庭で飼う鳥」という意味です。つばさは小さく、よく飛べません。足が強く、口ばしは太く短くなっています。ニワトリの品種は、体型や骨格で分けると、150種類にもなります。さらにトサカや羽毛の色や性質によって細かく分けると、450から600の品種に分けることができます。その中で、17の品種、例えば、姿の美しいオナガドリ(尾長鶏)や鳴き声の長さを楽しむトウテンコウ(東天紅)などのトリが貴重な生物として保護され、天然記念物に指定されています。
 ニワトリやヒヨコについて調べていくうちに、もっと好きになりました。愛育委員でも、ニワトリについて知っていると、もっと楽しくなります。また、天然記念物に指定されているトリははこれからも大切にしていかなければならないと思います。

※ チャボもニワトリだから、ここを整理しよう。
← 卵を産み







← 親鳥とヒヨコではちがう色を
※ 「それは、」に代えて、「でも、」とし、文末を「……なっていきます」とする。









← その中で、日本では、例えば……など、17の品種が貴重な生物として



← ニワトリがもっと好きに


※ 学校で飼っているニワトリにふれてしめくくろう。

 さあ、内容はどんなふうに整理されるだろうか。

書き直した作文
 私は愛育委員で、動物が大好きです。私の学校にはチャボと、他に2種類のニワトリとウサギがいます。ニワトリは卵を産み、その卵からヒナが生まれます。ニワトリから生まれるヒナのことをヒヨコといいます。ヒヨコは主に黄色です。とてもかわいいので、ニワトリとヒヨコについて調べました。
 ニワトリは家ちくとして、色々な種類に改良されてきました。ニワトリの種類によってヒヨコの体の色がちがいます。例えば、黒色のミノルカだと黒色、ハンバーグだと黄色に黒色のぶち模様です。親鳥とヒヨコではちがう色をしているものもあります。でも、ヒヨコが成長していくにつれて黄色い毛がぬけて親鳥と同じ色になっていきます。
 ニワトリはキジ目キジ科の鳥で、世界中で広く飼育されています。つばさは小さく、よく飛べません。足が強く、口ばしは太く短くなっています。ニワトリの品種は、体型や骨格で分けると、150種類にもなります。これをトサカや羽毛の色や性質によって細かく分けると、450から600の品種に分けることができます。日本での名前は「庭で飼う鳥」という意味です。その中で、姿の美しいオナガドリ(尾長鶏)や鳴き声の長さを楽しむトウテンコウ(東天紅)など17種類のニワトリが貴重な生物として保護され、天然記念物に指定されています。
 親鳥とヒヨコは絶対に色が違って、だんだん変わっていくのかと思っていましたが、色がずっと変わらないヒヨコもいると知って、それでは、どうして白いニワトリから黄色いヒヨコが生まれるのかと不思議に思いました。

  この締めくくりでは疑問を残したままだが、題にも返っており、
先への期待感もあって、このほうがよいと言える。

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「緑」

はじめの作文 添削例
 私の組では、水そうで金魚とメダカを飼っています。金魚の飼っている水そうは、そうじを何回しても、内側に緑のコケが付きます。どうしてコケは緑色なのか、できるのかと不思議に思い、調べてみました。
 コケは小さな植物の仲間で、昔は木の毛のような、小さくてよく分からない植物の事をさしていました。本来のコケの仲間をさす本当の名前はコケ類といいます。コケ類以外にもコケと名の付いたまぎらわしい種類がいくつかあります。一つ目は地衣類、二つ目はシダ植物、三つ目は藻類です。地衣類は菌類(キノコの仲間)と藻類(モ)が共生しているものです。シダ植物はくきを抜いてみると、コケ類にはない筋があります。藻類はアユの食べるコケや水そうに付くコケのことです。だとすると、私の組の水そうもコケではなく、藻だったのです。
 昭和27年に国の特別天然記念種に指定された、まりもも藻からできています。シオグサ科のシオグサ属の淡水藻で、北海道の阿寒湖のものが有名です。他にも、北海道のトウロ湖やシラルトロ湖などにも生息していますが、阿寒湖以外のまりもは丸くなりにくいそうです。まりもが丸くなる理由はまだよく分かっていませんが、まりもそのものに丸くなる性質があり、水の運動によって丸くなるようです。風によって起きた波がまりもを転がして丸くしていきますが、他の植物では丸くなりません。それは、まりもを形作っている細かい藻がからみやすく、また、何年も生きる多年生とよばれる種類の植物だからと考えられています。
 水そうに付いているものは、コケではなく、藻類と知ってびっくりしました。緑色で、日かげにひっそりとある植物全部がコケだと思っていたので、コケ類ではないまぎらわしい植物もたくさんあるということを初めて知りました。
 



← どうしてコケはできるのか、また、緑色なのか、



※ 「コケ類以外にも……」で改行する。






← 私の組の水そうのコケは本当のコケではなく、



※ 「他にも、……」の文を削除する。次に述べてあることと、つじつまが合わなくなるため。


 日菜さんは題を見て、最初に思い浮かんだものを題材にし、
分からないところを調べる、というふうにしているようだ。
迷いのない様子が見てとれる。

書き直した作文
私の組では、水そうで金魚とメダカを飼っています。この水そうは、何回そうじをしても、内側に緑のコケが付きます。どうしてコケができるのか、また、緑色なのか、不思議に思い、調べてみました。
 コケは小さな植物の仲間で、昔は木の毛のような、小さくてよく分からない植物をさしていました。本来のコケの仲間を指す本当の名前はコケ類といいます。
 コケ類以外にもコケと名の付いたまぎらわしい種類がいくつかあります。一つ目は地衣類で、二つ目はシダ植物、三つ目は藻類です。地衣類は菌類(キノコの仲間)と藻類(モ)が共生しているものです。シダ植物はくきを抜いてみると、コケ類にはない筋があります。藻類はアユの食べるコケや水そうに付くコケのことです。だとすると、私の組の水そうのコケは本当のコケではなく、藻だったのです。
 まりもも藻からできています。昭和27年に国の特別天然記念種に指定された、シオグサ科のシオグサ属の淡水藻で、北海道の阿寒湖のものが有名です。まりもが丸くなる理由はまだよく分かっていませんが、まりもそのものに丸くなる性質があり、水の運動によって丸くなるようです。風によって起きた波がまりもを転がして丸くしていきますが、他の植物では丸くなりません。それは、まりもを形作っている細かい藻がからみやすく、また、何年も生きる多年生とよばれる種類の植物だからと考えられています。
 水そうに付いているのは、コケではなく、藻類と知ってびっくりしました。緑色で、日かげにひっそりとある植物はみんなコケだと思っていたので、コケ類ではないまぎらわしい植物もたくさんあるということを初めて知りました。

 まりものことはおまけである。いつも400字の用紙で2枚は書くから、
もの足りなさを感じて、関連する話を付け加えたのだろう。

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「茶」

 この色では、初めに「こんぶ」が思い浮かんだようだが、
色の変化をうまくとらえられなくて、思案の末、チョコレートになった。

はじめの作文 添削例
 茶色といって思い付くのはチョコレートです。私はチョコレートが大好きで、よく食べます。今回はチョコレートについて調べてみました。
 チョコレートにはたくさんの種類があり、ビターチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートなど、この他にもあります。チョコレートはさまざまなお菓子にも使われます。
 チョコレートやココアの主原料はカカオ豆で、カカオの樹の果実の中にある種子のことです。カカオの学名は、アオギリ科テオブロマ属カカオです。テオブロマとは「神様の食べ物」という意味で、メキシコ・アステカ族の神話に由来します。昔は王様や貴族、あるいは、お金持ちだけの貴重な食べ物でした。カカオは赤道近くの南北緯度20度以内、年間平均気温27度以上の、しかも、年間を通じてその上下する範囲がごくせまい、高温・多湿の地方で栽培される熱帯植物です。産地は西アフリカ、東南アジア、中南米です。カカオの木は常緑樹ですが、年間を通じて落葉し、果実は半日陰を好みます。成長すると、高さは7〜10メートル、幹の太さは10〜20センチメートルになります。果実は枝だけでなく、幹にもなる、ちょっと風変わりな木です。カカオ豆の味はカカオの木の種類や栽培する土地の土壌、気候などによって異なります。栽培カカオの系図は次の3種が源流といわれています。1つはクリオロ種、もう一つはフォラステロ種、3つ目はトリニタリオ種です。これらをもとに、味覚・香味の良い病害・害虫に強く、収穫しやすい品種の研究が各産地独自に進められています。
 今回、チョコレートについて調べて、チョコレートはカカオ豆からできていることが分かりました。どうしてカカオ豆は、昔「神様の食べ物」だったのか不思議です。


※「今回は……」の文はなくてもよい。
← ……種類があります。

← ……などです。
※ 後の内容との関係で、ココアについても触れておく。
← カカオの種子です。





※ 「カカオは赤道……」で改行。
※ 「しかも、年間を〜せまい」を削除。

※ 代表的産地として、ガーナなどの地名を入れておこう。






※ 「栽培カカオ……」以下の2文を削除する。(流れをよくするため)。

← 産地ごとに味覚や香味がよく、また、病害・害虫に強く、収穫しやすい品種の研究が進められています。

← ……できていることを知りました。
※ なぜなのか、そのわけを推理してみよう。

 調べたことをもって満足するのではなく、内容を自分の理解において整理するとともに、
不思議と思えば、それを解いてみようと、日菜さんにはそんな話もする。

書き直した作文
 茶色といって思い付くのはチョコレートです。私はチョコレートが大好きで、よく食べます。
 チョコレートにはたくさんの種類があります。ビターチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートなどです。この他にもあり、ココアもその一種です。
 チョコレートやココアの主原料はカカオ豆で、これはカカオの木の果実の中にある種子です。カカオの学名は、アオギリ科テオブロマ属カカオです。テオブロマとは「神様の食べ物」という意味で、メキシコ・アステカ族の神話に由来します。昔は王様や貴族、あるいは、お金持ちだけの貴重な食べ物でした。
 カカオは赤道近くの南北緯度20度以内、年間平均気温27度以上の、高温・多湿の地方で栽培される熱帯植物です。産地は西アフリカ、東南アジア、中南米で、アフリカのギニア湾沿いのガーナなどが有名です。カカオの木は常緑樹ですが、年間を通じて落葉し、果実は半日陰を好みます。成長すると、高さは7〜10メートル、幹の太さは10〜20センチメートルになります。果実は枝だけでなく、幹にもなる、ちょっと風変わりな木です。カカオ豆の味はカカオの木の種類や土壌、気候などによって異なります。産地ごとに、味覚や香味がよく、また、病害や害虫に強く、収穫しやすい品種の研究が進められています。
 今回、チョコレートについて調べて、チョコレートはカカオ豆からできていることを知りました。どうしてカカオ豆は「神様の食べ物」だったのか不思議ですが、おそらく、カカオは香りが高くておいしいのに、産地が限られていて量が少ないために、身分の高い少数の人しか食べられなかったからなのでしょう。

 不思議なわけにも、片が付いたようだ。

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「紫」

はじめの作文 添削例
 私の家には、たくさんの石があります。その中には、ピンク、紫色、緑色などあります。紫色の石を見ると、アメジストという水晶を思い出します。たん生石であるアメジストはとてもきれいです。アメジストについて調べてみました。
 アメジストは宝石の一つで、「紫水晶」とも呼ばれます。二月のたん生石です。産出地は、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン、南アフリカ、メキシコで、日本国内では宮城県や鳥取県で産出されています。主に装飾品に使われています。
 アメジストは、水晶の中でも最高位に評価されていて、神話にも数多く登場しています。その中でも最も有名なのが酒の神バッカスとアメジストの物語です。酒によったバッカスが、今から最初に出会った人を猛獣のピューマにおそわせようとしました。そこにちょうど通りかかったのが、月の女神の女官の「アメジスト」でした。バッカスがピューマをけしかけ、今にもアメジストがおそわれるという時、この惨事に気づいた月の女神がアメジストを一しゅん、純白の水晶に変えました。その後、よいからさめたバッカスは自分の罪に反省し、水晶にぶどう酒を注ぎました。たちまち水晶はすき通った紫色に変わり、美しい紫色の宝石「アメジスト」になったのです。
 私は、石が大好きでたくさんの色の石をもっています。アメジストはたん生石で、神話があったので、私のたん生石のエメラルドの神話も調べてみたいです。アメジストの紫色はとても落ち着く色なので、いやなことがあったら思い出したいです。
← 私はいろいろな石をもっています。

※ 「たん生石で〜」の文を次の段落の始めにまわして調整する。

← アメジストは宝石の一つで、「紫水晶」とも呼ばれます。二月のたん生石です。








← ちょうどそこに月の女神の女官の「アメジスト」が通りかかりました。




← 罪を反省し


← 〜になりました。

※ 2番目と3番目の文を入れ替えて、3番目の文を次のようにする。
← アメジストの紫色はとても落ち着く色なので、いつか本物を手に入れて、いやなことがあったらながめていたいです。

 どんな題をだしても、日菜さんはすぐに題材(材料)を見つけてくるが、今回は趣味と一致したようだ。

書き直した作文
 私はいろいろな石をもっています。その中には、ピンク、紫色、緑色などがあります。紫色の石を見ると、アメジストという水晶を思い出します。アメジストについて調べてみました。
 アメジストは「紫水晶」で、宝石の一つです。正しい名前は「アメシスト」で、二月のたん生石です。産出地は、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン、南アフリカ、メキシコで、日本国内では宮城県や鳥取県で産出されています。主に装飾品に使われます。
 アメジストは、水晶の中でも最高位に評価されていて、神話にも数多く登場しています。その中でも最も有名なのが酒の神バッカスとアメジストの物語です。酒によったバッカスが、今から最初に出会った人を猛獣のピューマにおそわせようとしました。ちょうどそこに月の女神の女官の「アメジスト」が通りかかりました。バッカスがピューマをけしかけ、今にもアメジストがおそわれるという時、この惨事に気づいた月の女神がアメジストを一しゅん、純白の水晶に変えました。その後、よいからさめたバッカスは自分の罪に反省し、水晶にぶどう酒を注ぎました。たちまち水晶はすき通った紫色に変わり、美しい紫色の宝石「アメジスト」になりました。
 水晶には多くの種類があります。例えば、黄水晶や紅水晶、黒水晶、水入り水晶などです。
 私はたくさんの色の石をもっていますが、アメジストの紫色はとても落ち着く色なので、いつか本物を手に入れて、いやなことがあったらながめていたいです。アメジストはたん生石の一つで、神話があったので、次は私のたん生石のエメラルドの神話も調べてみようと思います。

 この後も一文字の題で書いている。
「夢」「旅」「橋」「船」、「机」「本」鞄」「筆」、「草」「石」「砂」「森」に続いて、
今は「東」「西」「南」「北」に取り組んでいる。

 「森」では「トトロの森」のモデルになった狭山丘陵について書いている。
いずれ、「社会科作文」のサイトで、その他のものについても「理科作文」などで紹介することにしよう。

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シロヤマブキ