運動会の横断幕


5.くん

作文ワールド
「テニスのランク」
「おく歯ぬき」
「2位をとったぞ」
「ヘルメット」
「喜多方ラーメン」
「スパゲッティ」
「交歓給食会」
「あめさがし」

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Ⅳ(理科作文) Ⅴ(スポーツ作文) Ⅵ(七五の四行詩)   Ⅶ(図工作文)
Ⅷ(エトセトラ)  Ⅸ(家庭科作文)   Ⅹ(作文のこころ)
「東日本大震災」の作文・第1部  第2部・第3部

作文打出の小づち
総もくじ
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5.怜くん

 怜くんは小学5年生。学校行事に積極的に取り組んでいるほか、
テニス、水泳、ピアノなども習っている。
また、休日には各地の名所に連れていってもらっているので、
書く材料には事欠かないが、
日常のなんでもないところに話題を見つけるのもうまい。



「テニスのランク」

 まず、興味をもって取り組んでいる習い事の一つを紹介しよう。

はじめの作文 添削例
 4月12日、日曜日、テニスに行きました。テニスにはランクがあって、Dが一番下でAが一番上です。ぼくは3年生の時、テニスを習い始め、4年生でCになりました。 そしてその日、クラス分けがありました。コーチが名前をよんでいきます。
「B、浅田さん」
と、コーチが言いました。Bの人の列にならびました。でも、Bの練習は毎日たいへんそうだし、練習が終わるとボールやかごをしまわなくてはなりません。
「では、練習を始めます」
とコーチが言ってクラスごとに分かれました。
「まずはフォアストロークから。ミスしたら、コートを1周」
とコーチが言いました。ぼくは走りたくないので、強く速くではなく、ゆっくり正確に打ちました。ミスりませんでした。これを5回くらいくりかえしました。
 次は、コーチと打ち合いをする練習です。サーブを初めに打ってラリーを続けます。ぼくの番がきました。上にボールを投げてスパッと入りました。コーチが打ち返しました。ポーンと高いボールがきました。高いボールはスマッシュで返しました。コーチが
「ナイス!」
と言いながら、すごいボールがきました。からぶってしまい次の人にかわりました。これも5回くりかえしました。そして、サーブ、ストローク、スマッシュとくりかえしました。10時30分になると、
「あと30分なので、試合をします」
と言いました。ダブルスでした。サーブを何発か打ったら勝ちました。
 時間になったらコーチが
「コートせいびと、ボールの片づけをやってね」
と言ったのでやりました。Bに上がるとたいへんだけど上手になってよかったです。
※ 集合時間を入れておこう。


※ 「その日、」で改行して「 クラス発表がありました」とする。


※ うれしかったのか、いやだったのか、その気持ちが分かるように書こう。









← 初めにサーブを

← 上にボールを投げて打つと、スパッと






※ 「10時30分になると、」で改行する。

※ だれと組んだのか、また、打ち合いの様子を具体的に書こう。


← 今まで手伝ったことはありましたが、これからは毎回片づけをしなければなりません。Bに上がると……

 最初の題は「CからBへ」であった。うれしかったのだろう。
ならば、その気持ちを表してみようと言ったら、次のようになった。

書き直した作文
 4月12日、日曜日、9時にテニスの練習に行きました。テニスにはランクがあって、Dが一番下で、Aが一番上です。ぼくは3年生の時、テニスを習い始め、4年生でCになりました。 
 その日はクラス発表がありました。コーチが名前をよんでいきます。
「Bくらす、浅田さん」
と、コーチが言いました。「やった!」と思って、Bの列にならびました。
「では、練習を始めます」
とコーチが言って、クラスごとに分かれました。
「まずはフォアストロークから。ミスしたら、コートを1周」
とコーチが言いました。ぼくは走りたくないので、強く速くではなく、ゆっくり正確に打ちました。ミスりませんでした。これを5回くらいくりかえしました。
 次はコーチと打ち合いをする練習です。サーブを初めに打ってラリーを続けます。ぼくの番がきました。ボールを上に投げて打つと、スパッと入りました。コーチが打ち返しました。ポーンと高いボールがきました。これをスマッシュで返しました。コーチが
「ナイス!」
と言いながら、今度はすごいボールを打ってきました。からぶりをしてしまったので、次の人にかわりました。これも5回ほどくりかえしました。そして、サーブ、ストローク、スマッシュとくりかえしました。
 10時30分になると、コーチが
「あと30分なので、試合をします」
と言いました。ダブルスでした。じゃんけんでペアを決めました。ぼくはじゃんけんで負けて一人になったので、コーチと組みました。ぼくがサーブを打ちました。サーブだけで2点とりました。サーブを打つとだんだん打ち返されましたが、コーチと協力して打ち返し、勝ちました。
 時間になって、コーチが
「コートせいびと、ボールの片づけをやってね」
と言いました。今まで手伝ったことはありましたが、これからは毎回片づけをしなければなりません。
 Bに上がるとたいへんだけど、上手になったということなので、上がれてよかったです。

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「おく歯ぬき」

最初の題は「いたかった歯医者さん」だった。

はじめの作文 添削例
 6月7日、歯医者さんへ行きました。おく歯の、大人の歯のむきがちがっていて、歯をぬいて通り道をつくれば、しっかりはえるかもしれないということで、歯をぬきに行きました。
「怜くん」
と歯医者さんがよびました。心ぞうがドキドキしました。おじさんがきて、ピストルのような注しゃ器を持っていました。
「4分くらいさすよ」
と言いました。まず、だっしめんのようなガーゼでふいて、歯と歯ぐきの間にさしました。と中、3回くらい口をゆすいで、注しゃが終わりました。ビリビリしびれていました。口もうごかせませんでした。歯医者さんが、歯をペンチのようなもので、グリグリ回しました。なぜか、いたくもかゆくもありません。グイッグイッグイッとやっても、なかなかぬけません。グイーッとひっぱったら、血で真っ赤な歯がとれました。20分くらいガーゼをかんでいました。とれた歯はガーゼに包んで置いてありました。あるていど血が止まったので、歯をぬいた時の注意の紙をもらって母と帰りました。ますいがしびれて口も動かせなかったし、8時まで何も食べれませんでした。
 歯をぬくのはいたかったけれど、しっかり大人の歯がはえるといいなと思いました。


※ 一人で行ったのかな。


← と名前をよばれました。
← 歯医者のおじさんが














※ お母さんと行ったことは、始めに書いておく。
← 何も食べられませんでした。
※ 何時ごろ行ったのかも始めに書いておくと、どのくらいの間がまんしていたかが分かる。

歯をぬく場面には迫力がある。思わず顔をしかめた人もいたことだろう。

書き直した作文    
 6月7日の午後、母と歯医者さんへ行きました。おく歯の、大人の歯の向きがちがっていて、歯をぬいて通り道をつくれば、しっかりはえるかもしれないということで、歯をぬきに行きました。
「怜くん」
と名前をよばれました。心ぞうがドキドキしました。歯医者のおじさんがきて、ピストルのような注射器を持っていました。
「4分くらいさすよ」
と言いました。まず、だっしめんのようなガーゼでふいて、歯と歯ぐきの間に注射器をさしました。と中、3回くらい口をゆすいで、注射が終わりました。ビリビリしびれていました。口を動かせませんでした。歯医者さんが、ペンチのようなもので、歯をグリグリ回しました。なぜか、いたくもかゆくもありません。グイッ、グイッ、グイッとやっても、なかなかぬけません。グイーッとひっぱったら、ぬけました。血で真っ赤な歯が出てきました。20分くらいガーゼをかんでいました。とれた歯はガーゼに包んで置いてありました。あるていど血が止まったので、歯をぬいた時の注意を書いた紙をもらって帰りました。ますいでしびれて口を動かせなかったし、8時まで何も食べられませんでした。
 歯をぬくのはいたかったけれど、しっかり大人の歯がはえるといいなと思いました。

この作文のよさは、歯を抜くところに焦点を合わせて、
そこを具体的に書いているところにある。

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「2位をとったぞ」

怜くんは何事にも全力を尽くす。

はじめの作文 添削例
 6月の初めごろ、運動会がありました。ぼくは100メートル走で、一番きんちょうしました。なぜなら、練習のとき、いつも負けていたからです。
 プログラム5番の100メートル走になりました。
「ようい」 
 パン!と、1列目の人が走り出しました。
 そして、7番目、ぼくの番です。
「位置について」
と言ったとき、心ぞうがドキドキしました。
「ようい」 
ドン!で、いっせいに走り出しました。ぼくのきらいなカーブにきました。体を横にして手をよくふって走りました。後ろからドタドタ走る音が聞こえました。カーブが終わったとき、同じ赤組の山田君にぬかされてしまいました。横を見ると、後ろにいたはずの石田さんがいました。ぼくは全力の上の全力で走りました。目の前は、山田君とゴールテープになりました。そして山田君がテープを切ったすぐ後に、ぼくと石田さんがほぼ同時にゴールしました。どちらが2位かわかりませんでした。しんぱんの人が2のゼッケンをつけていたので、
「やったあ!」
とさけびました。1年から4年までビリか3位だったけれど、5年で2位をとれてよかったです。6年生では1位をとりたいです。
※ きみは何組だったのかな。後のほうで赤組というのが出てくる。
 そうすると、きんちょうしていたのは、もっと他にわけがありそうだね。そのわけをくわしく書こう。


※ どんな組み合わせで走ったのだろう。後のほうを読むと、女子もいっしょのようだ。
 何コースかも書いておこう。


← カーブにさしかかりました。


← ぬかれて
※ どうやら、きみは外側のコースだったようだ。そうであれば、「左を見ると」とするのがいいね。


← 「2」のゼッケン


※ このあたりの順位のことも始めのほうの理由のところに回しておこう。得点にかんけいするようでもあるしね。

競り合いの描写には迫力がある。
組み合わせやコースのことを書いておけば、
臨場感がもっと出るだろう。

書き直した作文
 6月の初めに、運動会がありました。ぼくは100メートル走で、一番きんちょうしました。なぜなら、負けられないからです。競走の結果は得点になり、1位か2位でないと得点が入らないのです。それに、1年から4年まではビリか3位だったし、練習でも負けてばかりだったので、しんぱいでした。練習のとき、いつも負けていたからです。
 プログラム5番の「5年生100メートル走」になりました。
「ようい」 パン!と、1列目の人が走り出しました。4人1組で、男女いっしょで、赤白2人ずつです。走る組み合わせはくじ引きで決めます。ぼくの組は男女2人ずつでした。7番目にぼくたちの番になりました。ぼくは第4コース、つまり、一番外側です。
 そして、7番目、ぼくの番です。
「位置について」
と言ったとき、心ぞうがドキドキしました。
「ようい」 ドン!で、いっせいに走り出しました。ぼくのきらいなカーブにさしかかりました。ぼくは体を横にして、手をよくふって走りました。後ろからドタドタ走る音が聞こえました。ぼくはトップです。カーブが終わったとき、同じ赤組の山田君にぬかれてしまいました。左を見ると、後ろにいたはずの石田さんがいました。石田さんは別のチームです。ぼくは全力の上の全力で走りました。目の前は、山田君とゴールテープになりました。そして、山田君がテープを切ったすぐ後に、ぼくと石田さんがほぼ同時にゴールインしました。どちらが2位かわかりませんでした。しんぱんの人が「2」のゼッケンをつけていたので、
「やったあ!」
とさけびました。紅組は3点になりました。ぼくは勝利にこうけんできました。




※ 「ぼくは赤組です」というのを、「それに、」の前にでも入れておこう。




















← 石田さんは白組です。
◎ 「全力の上の全力」がいいね。

全力で走った気持ちの中には「 For the team 」という思いもあったのだろう。
それが題に現れたと思われる。

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「ヘルメット」

はじめの作文 添削例
 6月にヘルメットを買いました。何かの決まりで、小学生はヘルメットをかぶらなくてはいけないそうです。
 お店に行きました。ヘルメットがたくさんありました。ちょうせつバンドがついているものは、長く使えるので、ちょうせつバンドのついているものを選びました。父に見せると、
「これは高いからだめ」
と言いました。たしかに6千円だったので、高いなと思いました。ぼくのほしいものはだいたい6千円でした。 父は
「別の店で買おうか」
と言いました。
 父は家のパソコンで、通販のヘルメットを調べていました。ぼくもいっしょになって調べました。そうしたら、いいのが見つかりました。父は
「このヘルメットの売っている店に行こう」
と言いました。
 車で多摩川のほうまで行きました。そうすると、なんだかマニアックなお店にきました。自転車のふくそうの人がいっぱいいました。ヘルメットコーナーに行きました。ほしいヘルメットのほかにもっとほしいヘルメットがあったので、鏡の前で何回かかぶってみました。ヘルメットにつばのようなものがついていないやつが気に入ったけれど、みんなつばつきで、大人になるとつばつきのほうがかっこいいからつばつきを選びました。6千円なので、ぼくが2千円はらうことにしました。その後サイズをちょうせつしてからサイクリングしました。友だちがかっこいいねと言ってくれました。大人になるまでヘルメットを使いたいです。



※ だれと、どんな店に行ったのかな
← ……長く使えるので、そんなバンドの

← 6千円だったので、たしかに高いと





← 4千円ぐらいのいいのが






← 鏡の前であれこれかぶって





※ 「その後サイズ……」で改行して、「家に帰ってサイズを……」とする。

道路交通法が改正されて、平成20年6月から実施されている。
自転車に関しては、次の条文がある。

「児童・幼児(13歳未満の者)を保護する責任のある者は、
児童・幼児を自転車に乗車させるときは、
乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない」

書き直した作文
 6月の終わりごろヘルメットを買いました。何かの決まりで、小学生は自転車に乗るとき、ヘルメットをかぶらなくてはいけないそうです。
 父といっしょに武蔵村山のダイアモンドシティーの自転車売り場に行きました。ヘルメットがたくさんありました。調節バンドがついているものは長く使えるので、そんなバンドのついているものを選びました。父に見せると、
「これは高いからだめ」
と言いました。6千円だったので、たしかに高いなと思いました。でも、ぼくのほしいものはだいたい6千円でした。 父は
「別の店で買おうか」
と言いました。
 父は家のパソコンで、通販のヘルメットを調べました。ぼくもいっしょに調べました。そうしたら、4千円ぐらいのいいのが見つかりました。父は
「このヘルメットの売っている店に行こう」
と言いました。
 車で多摩川のほうまで行くと、自転車グッズがいっぱい並んだ、なんだかマニアックなお店がありました。自転車の服装をした人がいっぱいいました。ヘルメットコーナーに行くと、ほしいヘルメットのほかに、もっとほしいヘルメットがあったので、鏡の前であれこれかぶってみました。ヘルメットにつばのようなものがついていないのが気に入ったけれど、大人になるとつばつきのほうがかっこいいと思って、つばつきを選びました。6千円だったので、ぼくが2千円はらうことにして、それを買ってもらいました。
 家に帰ってサイズを調節して、父とサイクリングに出かけました。途中で会った友だちが、「かっこいいね」と言ってくれました。
 大人になるまでこのヘルメットを使うつもりです。

怜くんは道場に来る時もヘルメットをかぶっている。
たしかに、かっこいい。
ヘルメットはファッションでもある。

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「喜多方ラーメン」

怜くんはよく家族であちこちに連れていってもらう。
5年生の夏は福島県の猪苗代・磐梯方面であった。

はじめの作文 添削例
 8月12日に家族で喜多方に行きました。喜多方にはラーメン屋が約50店あるそうです。まずラーメン館に行きました。ラーメン作りの機械を見ました。大きなうす黄色のきじがトイレットペーパーのようにまいてありました。そのきじを細く切ってヨレヨレにしていました。その横には商品のパッケージがまいてありました。ヨレヨレのめんは器に入り、上にあるふくろに入れられていきます。そのとなりで人が賞味期限のスタンプをポン、ポンおしていました。
 外に出ると、喜多方ラーメンの試食がありました。おじさんがカップにちょっとずつラーメンを入れていきます。ぼくはならんで順番を待ちました。ぼくはカップを受け取りました。ベンチにすわって食べました。その味は家の近くで食べるラーメンとは大ちがいでした。めん1本1本にこしがあって、つるっとしためんです。スープもとてもおいしかったです。
 父が、
「そろそろごはんにするか」
と言って、「まこと食道」というところに行きました。が、こんでいて30分くらい待ちそうなので、「あべ食道」に行きました。ラーメンを注文しました。15分くらいでラーメンがきました。
「うまいっ」
と、ぼくは言いました。だんだんお客さんがふえてきて、店員さんはたいへんそうでした。つるつるっ、つるつるっと、音を立てながらラーメンをすすっていました。おなかいっぱいになって食べきれなかったので父にあげました。
「ごちそうさま」
と、レジの人に言って帰りました。
 ぼくは喜多方に住みたいなと思いながら帰りました。
※ 喜多方を知らない人のために、道案内をしてみよう。



← その横でそのラーメンをパッケージしていきます。



← 外に出ると、ラーメンの試食コーナーがありました。


← そのめんは、家の近所で……。めん1本……、つるっとした感じです。






※ 出てきたラーメンの香りや味を書いてみよう。







※ 念のため、住みたいわけをひとこと書いておこう。

この作文はこのままでもほとんどよいのだが、
怜くんはこちらの注文によく応えてくれるから、
話しているうちに、具体的で分かりやすいものになっていく。

書き直した作文
 8月12日に家族で福島県の喜多方に行きました。磐梯山と猪苗代湖の間を通って山の中の道をぬけると、目の前が広くなって、お昼ごろ喜多方に着きました。喜多方はラーメンで有名です。ラーメン屋が約50店あるそうです。
 最初にラーメン館に行きました。ラーメン作りの機械があり、ラーメンの作り方を見せてくれました。大きなうす黄色のきじがトイレットペーパーのようにまいてあって、そのきじを細く切っていきました。その横でそのラーメンをパッケージしていました。ヨレヨレの感じのめんはビニールのふくろに入れられていきます。パッケージができると、人が手で賞味期限のスタンプをポン、ポンおしていました。
 外に出ると、ラーメンの試食コーナーがありました。おじさんがカップにちょっとずつラーメンを入れていきます。ぼくはならんで順番を待ち、カップを受け取って、ベンチにすわって食べました。めんは家の近くで食べるラーメンとは大ちがいでした。めん1本1本にこしがあって、つるっとした感じです。スープもだしがよく出ていて、とてもおいしかったです。
 父が、
「そろそろごはんにするか」
と言って、「まこと食道」に行きました。でも、こんでいて30分くらい待ちそうなので、「あべ食道」に行きました。注文して15分くらいでラーメンがきました。プーンとラーメンのいい香りがしました。めんをすすって、思わず、
「うまいっ」
と、ぼくは言いました。みんな、つるつるっ、つるつるっと、音を立てながらラーメンをすすっていました。おなかいっぱいになって食べきれなかったので、父にあげました。だんだんお客さんがふえてきて、店員さんはたいへんそうでした。
「ごちそうさま」
と、レジの人に言って帰りました。
 ぼくはしょうらい喜多方に住んで、毎日ラーメンを食べたいなと思いながら帰りました。 






























※ ついでに、スープの色やのっていたものを絵のようにかいておくといいね。

怜くんはラーメン通でもあるようだ。
だから、喜多方に住みたいというの本心であるかもしれない。

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「スパゲッティ」

はじめの題は「残業」であった。
お母さんの帰りが待ち遠しかったのだろう。

はじめの作文 添削例
 夏休みの夕方、母から電話がありました。
「残業するから、家に着くのは7時半から8時ぐらいかもしれない。いろいろあるから、好きな物食べてね」
 電話を切ってから冷ぞう庫をさがすと、特に何もなく、ごはんもたいていなかったので、キッチンをさがすと、スパゲッティがありました。ぼくはスパゲッティが食べたかったので、作り方を見ました。なんだかややこしかったけど、妹と2人分作ることにしました。2人分なので2リットルの水をわかし、スパゲッティをゆでました。
「あちっ」
と、たまに湯がはじけることがあったり、目をはなすと、ふきこぼれそうになったりしてたいへんでした。時計で7分はかって、完成しました。めんをボールに移し、タラコソースをかけて、タラコスパゲッティができました。
 さっそく食べました。フォークにまくと、いっぱいくっつきました。妹は
「かたいね」
と言いながら食べました。かたいけれど、味はじゅうぶんまんぞくしました。
 8時10分ごろ母が帰ってきました。ぼくと妹は母にたまごやきスパゲッティを作ってあげました。あいかわらず、母の食べたスパゲッティはかたかったです。でも、自分で料理が作れたと思うと、よくやったなあと思います。今度はもっとむずかしい料理にちょうせんしたいと思います。


← 冷蔵庫にいろいろあるから、


← キッチンの戸だなの中をさがすと、スパゲッティのふくろが……
※ 「それを見たとたん、スパゲッティを食べたくなった」という感じではなかったかな。
※ 作った順序をもっとくわしく書いてみよう。

← 湯がはじけて手に当たったり、

※ 「完成が早すぎる」ので、でき上がるまでのことを、具体的に詳しく書いてみよう。

※ 妹は「おいしい」と言ってくれなかったのかな。妹の感想によって味を決めよう。


※ 妹はたまごやきをしたのかな。
※ お母さんの感想はどうだったのだろう。
※ 「でも」の所で改行して、「でも」をとる。

工作の場合と同様、料理の手順を書くのは難しいが、
これも「事実を正確に書く」練習の一環である。

書き直した作文
 夏休みの夕方、母から電話がありました。
「残業するから、家に着くのは7時半から8時ぐらいかもしれないの。冷蔵庫にいろいろあるから、好きな物食べてね」
 電話を切ってから冷蔵庫をさがすと、特に何もなく、ごはんもたいていなかったので、キッチンの戸だなをさがすと、スパゲッティのふくろがありました。それを見たとたん、ぼくはスパゲッティが食べたくなったので、そのふくろに書いてある作り方を読みました。なんだかややこしかったけど、妹と2人分作ることにしました。2人分なのでなべに2リットルの水を入れてわかし、ふっとうしたところで、スパゲッティをパラパラと入れました。
「あちっ」
と、たまに湯がはじけて手に当たったり、ふきこぼれそうになったりするので、目がはなせなくて大変でした。時計で7分はかって、めんを網のボールへ取り上げ、お湯を切って2つのお皿に分けました。戸だなにあったタラコソースをかけて、タラコスパゲッティができ上がりました。
 さっそく食べました。フォークにまくと、うまくくっつきました。妹は
「かたいね」
と言いましたが、
「おいしい」
とも言いました。妹の言うとおりで、ぼくは味にはじゅうぶんまんぞくしました。
 8時10分ごろ母が帰ってきました。ぼくと妹は母にたまご焼きスパゲッティを作ってあげました。ぼくがめんをゆで、妹がたまごを焼きました。めんは前と同じで、かたかったようです。母は、
「ちょっとかたいけど、おいしい」
と言ってくれました。
 自分で料理が作れたと思うと、よくやったなあと思います。今度はもっとむずかしい料理にちょうせんしたいと思います。















◎ スパゲッティ屋さんのカウンターで、作っているのを目の前で見ているようだ。湯気まで感じられて、とてもおいしそうだ。

家庭の、ほのぼのとした温かみまでが伝わってくる。


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「交歓給食会」

学校ではいろいろな行事が工夫されている。これもその一つである。
このような会を通して、
1年生は学校は安心できる場と感じるであろうし、
高学年生は上級生としての自覚をもつに至るであろう。

はじめの作文 添削例
 10月9日木曜日、こうかん給食会がありました。こうかん給食会とは、おべん当を持って、たてわり班のみんなと校庭で給食を食べます。12時ごろにおべん当が配られました。レジャーシートやぼうしを持って校庭にならびました。校長先生のお話と給食委員の説明を聞いてから校庭のはじにすわりました。
 班長さんがいただきますの号令をかけて食べ始めました。メニューはさかなのあんかけ、焼きおにぎり、ポテトサラダ、ミニトマトでした。みんなでしゃべりながら食べました。15分くらいすると、先生がおかわりを持ってきました。ぼくはトマトとさかなをおかわりしました。いつもの給食より楽しかったです。時間が終わり、ゴミ分別の時間になりました。もやせる、もやせない、プラの3しゅるいでした。班で協力して全員ゴミをかたずけました。
 そしてたてわり班全員で遊びました。ぼくの班はドロケイをしました。高学年4人がおにになりました。6年の人が手げんしてと言ったけど、中学年や低学年は意外に足が速いので、あまり手かげんしませんでした。1時半になってこうかん給食会がおわりました。ぼくはこのようなおもしろい行事をもっとやってみたいと思いました。

← これは、給食のお弁当を……食べる会です。
※ 「12時ごろ……」で改行する。
※ 「たてわり班」はどんな仕組みになっているのだろう。

← 「いただきます」






← もやせるゴミ、もやせないゴミ、プラスチックの3種類に分けました。





※ 「ぼくは……」で改行する。

いつものことであるが、添削の筆は、必ずしも
間違っているから入れている、というわけではない。

書き直した作文
 10月9日木曜日、交歓給食会がありました。これは、たてわり班のみんなと給食のおべん当を校庭で食べる会です。
 12時ごろにおべん当が配られました。全員お弁当とレジャーシート、ぼうしを持って校庭にならびました。校長先生のお話と給食委員の説明を聞いてから、班ごとに校庭のはじにすわりました。ぼくの班は1年生が3人と、あとは各学年2人ずつの合計13人です。
 班長さんが「いただきます」と号令をかけて食べ始めました。メニューは魚のあんかけ、焼きおにぎり、ポテトサラダ、ミニトマトでした。みんなでおしゃべりしながら食べました。15分くらいすると、先生がおかわりを持ってきました。ぼくはトマトと魚をおかわりしました。いつもの給食より楽しかったです。食べ終わって、ゴミの分別をしました。もやせるゴミ、もやせないゴミ、プラスチックの3種類に分けて、班で協力して全員でゴミを片づけました。
 そのあと、たてわり班ごとに遊びました。ぼくの班はドロケイをしました。高学年4人がおにになりました。6年の人が「手げんして」と言ったけど、中学年や低学年は意外に足が速いので、あまり手かげんしませんでした。1時半になって交歓給食会が終わりました。
 ぼくはこのようなおもしろい行事をもっとやってみたいと思いました。

怜くんは6年生になった。
「アフリジャの音楽会」「アリジゴク」「うま馬ラーメン」など、
おもしろい作文が続いている。
ラーメンについてはかなりの「通」でもある。
追って、ここで、あるいは、理科作文等で紹介することにしよう。

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「あめさがし」

この作文は、添削例や注意書きを気にせず、一気に読み下すとよい。

ただし、ここに至る経緯について知りたい向きは
こちらの同名の記事(Feb.19'09付)へ。

はじめの作文 添削例
 2月17日土曜日に、あめさがしをしました。このあめは作文道場から帰るときに2こもらえます。「大玉ランド」といいます。このあめはどこに売っているか、みんな知りません。でも、すごくおいしいから、さがしに行くことにしました。
 午後1時30分に、竹本くんと谷川くん兄弟と4人で行きました。地図を指さしながら行き先を決めました。まず、市役所通りの店をすべて見てから、ふみきりをわたってそのままイトーヨーカドーを調べ、そこから熊野神社に行き、坂を下って「みやでら」というだがし屋に行きます。
 決めたらすぐに行きました。市役所通りの「セブンイレブン」「ローソン」にはありませんでした。この時に作文道場の先生からのヒントを思い出しました。ぼくは3人に、
「先生が国分寺市内で、日吉町ではないと言っていたよ。また、歩いてもそう遠くはないとも言っていたよ」
と言いました。すると、谷川くんが
「じゃあ、イトーヨーカドーにはないかもね」
と言いました。でも、どうせ通り道なので、見ることにしました。やはりありませんでした。そこから熊野神社に行き、坂を下り、みやでらに行きました。みんなすでにクタクタにつかれていました。このみやでらには、先生の言ったすべてのヒントが入っています。しかし、ありませんでした。3人とも
「えー」
と言いました。ぼくのさいふに160円以上入っていたので、
「見つけたら、おごるよ」
と約束しました。みやでらの店員さんに、
「このおかしはどこに売っていると思いますか」
と、大玉ランドのふくろを差し出して聞きました。すると、
「うーん、マインかな」
と首をかしげていました。マインはすぐ近くにあります。竹本くんが
「行ってみよう」
と言ったので、行くことにしました。でも、その前に、近くの姿見の池で休みました。マインに行きました。店員さんに売ってるか聞くと、
「うーん、このあめコーナーになきゃ、売ってないね」
と言いました。売ってませんでした。その時、幸介くんが
「この近くにだがし屋があるはず」
と言ったので、指示どおりに進むと、だがし屋がありました。しかし、ありませんでした。
「くそー」
とみんな言いました。しかたなく、家のほうにもどって、とちゅうの「いなげや」によりましたが、ここにもありませんでした。
「今日はあきらめて、もうどこかであそぼう」
とぼくが言って、公民館でゲームをしました。
 5時に家に帰ってきました。そしたら、妹が
「あっ、お兄ちゃん、テニスコートの近くで売ってたから、買ってきたよ」
と言いました。そこのだがし屋は家から5分くらいの所にあります。ぼくは
「えー」
と言いました。よく聞くと、妹はたまたまおかしを買いにいったら、たなにあったということでした。ぼくは
「こんなに苦労したのにー」
と思いました。その後、3人にあめを2こずつプレゼントしました。
 近所に売っていたのに、こんなにへとへとになって、くやしい気がしました。でも、こんどから、おいしいあめがたくさん食べれてうれしいです。



※ 大きさや、どんなふうにおいしいのかを書いておこう。

← 竹本くんと谷川くんとその弟の幸介くんの4人で……


← 熊野神社の前を通って














※ どのくらいの時間歩いていたのだろう。
















※ 「マインに行き……」で改行する。
















← その店は家から3分くらいの






※ 「その後、……」の文を、「妹に大玉ランドを分けてもらって、3人に2こずつプレゼントしました」とし、この文でしめくくる。

ずいぶん探し回ったものだが、詳しい地理の説明をこの種の作文に求めることはできない。
そこで、代わりに説明をすると、
市役所通りは中央線国立駅から北東方向に延びるバス通りで、怜くんの家や道場(日吉町)
の北側を通っており、西武線の踏切を越えて、府中街道につながっている。
イトーヨーカドーや「みやでら」は府中街道沿いに南下した所にあり、
姿見の池の雑木林は中央線西国分寺駅のホームの東端に接している。
西国分寺駅から怜くんの家までは北に1kmくらいで、全行程は3〜4㎞だったようだ。

書き直した作文
 2月17日土曜日に、あめさがしをしました。このあめは「大玉ランド」といい、大きなビー玉くらいの大きさで、オレンジ、グレープ、メロン、バナナ、ミルク、コーラの6種類あって、くだものは本当にその味がします。作文道場から帰るときに2こもらえます。このあめはどこに売っているか、みんな知りません。でも、すごくおいしいから、さがしに行くことにしました。
 午後1時30分に、竹本くんと谷川くんとその弟の幸介くんの4人で行きました。地図を指さしながら行き先を決めました。まず、市役所通りの店をすべて調べてから、ふみきりをわたってそのままイトーヨーカドーに行き、そこから熊野神社の前を通って坂を下り、「みやでら」というだがし屋に行きます。
 決めたらすぐに出発しました。市役所通りの「セブンイレブン」「ローソン」にはありませんでした。この時に作文道場の先生からのヒントを思い出しました。ぼくは3人に、
「先生が国分寺市内で、日吉町ではないと言っていたよ。また、歩いてもそう遠くはないとも言っていたよ」
と言いました。すると、谷川くんが
「じゃあ、イトーヨーカドーにはないかもね」
と言いました。でも、どうせ通り道なので、見ていくことにしました。やはりありませんでした。そこから熊野神社の前を通って坂を下り、みやでらに行きました。とちゅうで道をまちがえて、もう1時間も歩いていたので、みんなクタクタにつかれていました。
 このみやでらには、先生の言ったすべてのヒントが入っています。しかし、ありませんでした。3人とも
「えー」
と言いました。ぼくのさいふに160円以上入っていたので、
「見つけたら、おごるよ」
と約束しました。みやでらの店員さんに、
「このおかしはどこに売っていると思いますか」
と、大玉ランドのふくろを差し出して聞きました。すると、
「うーん、マインかな」
と首をかしげていました。マインというスーパーはすぐ近くにあります。竹本くんが
「行ってみよう」
と言ったので、行くことにしました。その前に、近くの姿見の池で休みました。
 マインに行って、店員さんに聞くと、
「うーん、このあめコーナーになきゃ、売ってないね」
と言いました。売っていませんでした。その時、幸介くんが
「この近くにだがし屋があるはず」
と言ったので、ついて行くと、だがし屋がありました。しかし、大玉ランドはありませんでした。
「くそー」
と、みんな言いました。しかたなく、家のほうにもどって、とちゅうの「いなげや」にもよりましたが、ここにもありませんでした。
「今日はあきらめて、もうどこかであそぼう」
とぼくが言って、公民館でゲームをしました。
 5時に家に帰りました。そしたら、妹が
「あっ、お兄ちゃん、テニスコートの近くで売ってたから、買ってきたよ」
と言いました。その店は家から3分くらいの所にあります。ぼくは
「えー」
と言いました。よく聞くと、妹がたまたまおかしを買いにいったら、たなにあったということでした。ぼくは
「こんなに苦労したのにー」
と思いました。すぐ近所に売っていたのに、こんなにへとへとになって、くやしい気がしました。
 妹に大玉ランドを分けてもらって、3人に2こずつプレゼントしました。






← ……知りません。先生はなかなか教えてくれませんが、すごくおいしいから、自分たちでさがしに……





























※ 空きぶくろはきみにあげていたのだったね。





← すぐ近くの駅ビルの中に




























妹の涼ちゃんは「道場日記抄」Dec.16 '08付の「三温四寒」に登場している。

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噴水(東京・井の頭公園)